■■■「アクアスラッシュ」■■■
(50点/スラッシャー)
巨大なプールを中心としたテーマパークであるウェットバレー水上公園に、とある高校の卒業生たちが卒業旅行へと訪れる。
彼らは、かつてこの公園で悲惨な事故があった事を知らされてやや鼻白むものの、すぐにお酒やドラッグそしてライブへと盛り上がって乱痴気騒ぎを開始。
そんな最中、かつて高校中退して別れた彼女のキムがここで働いているとを知ったジョシュは、なんとかして彼女との寄りを戻そうと画策。
テーマパークの人気イベントである、ウオータースライダーのタイムレースにキムと共に参加する事となるが、そこには謎の殺人鬼によって恐るべき死の罠が仕掛けられていたのだった…
殺人鬼の手でテーマパークのウォータースライダーに仕掛けられた殺人トラップによって、恐るべき殺人ショーが行われる…という設定のスラッシャーホラー映画。
パッケージのイラストがまさに映画の内容をストレートに表現している作品という感じですが、実際の中身の方もイラストそのままに『一発ネタで勝負した映画』ですね。
お話としては、『とある高校の卒業生たちが卒業パーティーに巨大プールのテーマパークに訪れるんだけど、実はそのテーマパークは過去の死亡事故やら経営難からどことなく不穏な空気が漂っており、その裏で『謎の殺人鬼』が暗躍していたのだった…』みたいな感じの展開。
プールの関係者や学生たちを襲う『謎の殺人鬼』の正体と『その目的』みたいなのが中心となってお話が進んでいく感じで、サスペンス要素が強めの作品という印象です。
…と書くと、割と普通に面白そうな雰囲気があるのですが、実際の内容の方はサスペンスよりも『かつての恋人に再会した青年が復縁を狙って画策する』みたいな物語の方がメインでサスペンス要素はオマケ程度という感じの内容。
映画の尺が70分ぐらいなのに、ラストの『殺人ウォータースライダー』が登場するのは50分程度過ぎてからで、それまでは高校生たちのバカ騒ぎを延々と見せられるといった構成なんですよね…
ぶっちゃけ観ていて非常に退屈なのですが、ただ巨大プールが舞台だけあって、お姉ちゃんや青年の水着姿(というかセミヌード)が死ぬほど描かれるので、退屈だけど観ていてそこまで苦痛じゃないのは良い点かも?(笑)
また、ラストの『殺人ウォータースライダー』のパニックシーンはなかなか迫力があり、終盤の派手な展開を観るだけでもそれなりに満足度が得られるのは良い感じですね。
まあ、現実的な話としては『ウオータースライダーの途中に刃物を設置した程度じゃ、そんなに人間の身体がスパスパとは分断されんだろ!』(骨って意外と固いので)というツッコミはありますが、そういうツッコミを抜きにしても『ウォータースライダーの出口からバラバラになった身体のパーツが次々と排出されてくる』という、人間トコロテン地獄のような絵面はインパクト抜群。
終盤のパニックシーンだけでお腹いっぱいになれるレベルなので、まさにアイデアの勝利という印象でした。
まあラストまでの展開が、もっとサスペンス要素が強くて中盤辺りにもうちょっと見せ場なりがあれば割と良い感じの作品になったのでは?とは思うので、そういう意味ではちょっと勿体なさを感じる映画ではありましたよ。
総評としましては、どうにも『物足りなさの残るスラッシャーホラー映画』という感じの作品ですね。
『殺人ウォータースライダー』という一発ネタのインパクトはあるのですが、それ以外の部分が残念すぎるので『もうちょっとどうにかならんかったかなぁ』と言うのが正直なところ。
まあ色々と不満もあるものの、お馬鹿なネタを題材にした『ネタ映画』としては良い感じだと思うので、設定等が気になるようであればチェックしておいても損はないかもしれませんよ。