■■■「ブラインデッド」■■■
(45点/モンスター)
ある日、盲目の男性のベンは、事故を起こして立ち往生した救急車の中で目を覚ます。
腕には手錠がはめられており、以前の記憶もあいまいで周囲の状況が分からない彼が、なんとかして手探りで無線を探し出して助けを呼んでいると何者かが彼を襲撃。
なんとか襲撃を逃れて逃げ出す事に成功した彼は近所の民家に逃げ込むが、周辺で時おり銃声が聞こえてそこら中に死体が放置されているという、異常な事態が発生していることに気づく。
その頃、彼の無線を聞いた出産間近の女性警官のマーラは、彼を救助するために現場へと向かうが、謎の感染症のパンデミックにより人間がゾンビ化してパニックが発生している事を知り…
盲目の男性と臨月の婦人警官がゾンビパンデミックに巻き込まれて、なんとかして危機から生き延びようとする…という、サバイバルホラー系のモンスターホラー映画。
基本的にお話としては、田舎町を舞台にしたいわゆる『低予算のゾンビものパニック映画』という感じなのですが、ゾンビだけでも十分に困難なのに、主人公が盲目のうえに助けに来た警官は臨月を迎えて出産間近という、三重苦ぐらいの困難な状況に陥った状況でのパニックホラー映画という感じの内容ですね。
お話のストーリーとしては特に面白いものでもなく、『事故を起こした救急車を救出するために警官が駆けつけてみると、謎の感染症によるゾンビパンデミックが発生していて思いがけないピンチに陥ってしまう…』というただそれだけの話。
ただ『主人公が盲目』だったり『警官が出産間近』だったりと、想像するだに生き延びるのが困難そうなシチュエーションがお話を盛り上げている感じです。
シチュエーションが特殊なためドラマ的な要素はなかなか面白くて、『主人公がなぜ記憶が無いままに救急車で目を覚ましたのか?』とか『謎の感染症の原因はなんなのか?』また、『女性警官は無事に危機を脱してお腹の子供を救う事ができるのか?』といった部分を中心に展開していく物語は、そこまで悪くない印象。
派手さはないものの、田舎町を襲う『静かな破滅』の雰囲気もそれなりに良く描かれてはいます。
ただシチュエーションが特殊な割には、実際の中身の方は『なんとも地味な映画』としか言いようが無いような内容なんですよね…
全体的にお話の展開がスローテンポなうえにゾンビの出現も物凄い散発的で、どうにもテンポが悪くてイマイチ盛り上がりません。
終盤はそこそこ盛り上がるのですが、そこまでの展開が長すぎて途中でダレてしまいましたよ…
また、女性警官の『出産間近』という設定はそれなりに活かされているものの、主人公の『盲目』という設定は殆どストーリーに活かされておらず、なんだかシチュエーション倒れな印象。
ラストのオチもちょっと中途半端ですし、思わせぶりに描かれた『主人公が逮捕されていた原因(放火した理由)』なんかも判然としないままですし、なんか全体的にスッキリしない感じの映画という感じでしたよ…
(もしかしたら主人公の家族がゾンビ化して、不可抗力で家に火をつけたとかって設定なのかしらん?)
総評としましては、設定の独特さの割には『地味で盛り上がりに欠けるゾンビパニックものモンスターホラー映画』って感じの作品ですね。
地味な以外はそこまでダメな作品という訳でも無いのですが、個性的な設定を聞いて期待していた場合は、ちょっと肩透かしを食らわせれてしまう可能性があるかも?
まあ、あまり推すほどの内容でもないので、急がないのであれば『定額制のネット配信サービス』とかに来てからチェックするぐらいのつもりでも良い程度の作品かもしれません。