■■■「モルグ 死霊病棟」■■■
(50点/オカルト)
警備員のディエゴは、ある日、恋人とスマホでLINEをしながらの運転中に誤って人を轢いてしまう。
パニックに陥った彼は救急車も呼ばずにその場から逃走、自宅へと帰るものの混乱が収まらず困惑するが、そんな矢先に勤務先から連絡を受け欠員の代役として病院の夜間警備に派遣されることとなる。
しかし、引継ぎの警備員から勤務の内容の説明を受ける最中に、死体安置所で『ひき逃げ事故にあった』という死体を目撃。
『死体が自分の轢いた相手ではないか?』と動揺しつつも夜間の見回りを開始した彼だったが、警備の現場である深夜の病院で次々と奇妙な現象が起こりはじめ…
ひき逃げ事故で人を殺してしまった青年が、夜間のモルグ(死体安置所)の警備中に恐るべき事態に遭遇する…という、オカルトホラー映画。
一人の警備員の青年と深夜の病院(の死体安置所)を舞台にした、いわゆるワンシチュエーションタイプのオカルトホラー作品ですね。
お話としては『とある警備員の青年がひき逃げで人を殺してしまうんだけど、勤務先の死体安置所で自分が殺したと思しき死体を発見し…』という、ただそれだけのストーリー。
なんとなく、いかにも『読み切りの短編ホラーコミック』やら「世にも奇妙な物語」の1エピソードやらにありそうなストーリーですが、実際の内容の方もまさにそんな感じのお話です。
短編ホラー作品と表現したとおりに、お話の中身はかなり薄めな感じで、深夜の病院で警備員の青年が次々と奇妙な現象に遭遇する様子が淡々と描かれていくみたいな感じの展開なのですが…
お話の前半部分の『怪奇現象』が非常に地味で、どうにも盛り上がりに欠けるのは困りもの。
深夜の病院という良い感じのシチュエーションの割には雰囲気作りや演出なんかもイマイチで、見ていて退屈でどうにも冗長さを感じてしまいます。
ただ、逆に終盤のお話が盛り上がり始めてからの展開は、非常にスピーディーなうえになかなか迫力があって良い感じ。
ショッカー演出を多用した幽霊たちのビックリさせ方も悪くないですし、むしろ『なんで幽霊たちはそんなに主人公を執拗にビビらせに来るんだよ?』とツッコミを入れたくなって、怖いんだけどちょっと笑ってしまうレベル。(笑)
少しだけ捻りの効いたオチの落としどころなんかも悪くないですし、ビビらせ系のオカルト映画としてはそこそこ良く出来ています。
惜しむらくはお話が盛り上がるまでがダルすぎて途中でダレてしまうので、前半部分がもうちょっと雰囲気映画として良く出来ているか、見せ場となる部分があればなぁ…というのが惜しまれる感じの作品でしたよ。
総評としましては、冗長な内容ながらも『そこそこ観れるレベルのオカルトホラー映画』って感じの作品ですね。
ホラーコミックとかにありがちな『いかにも短編ホラー』的なお話が好きであれば、まあまあ楽しめる作品だと思います。
あまり強く推すほどではないですが、『深夜放送とかでなんとなく観てみたら意外と楽しめた』って感じの片手間程度に観るには良いレベルの内容だと思いますので、気が向いたらチェックしてみても良いかもしれませんよ。