NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「呪餐 悪魔の奴隷」(65点/オカルト:オススメ)

■■■「呪餐 悪魔の奴隷」■■■
(65点/オカルト:オススメ)


 1984年のジャカルタ
 悪魔の呪いによって母と祖母を亡くし、末弟のイアンも行方不明となってしまったリニは、今まで住んでいた一軒家を離れて父と二人の弟と共に沿岸地域のアパートへと引っ越していた。


 平穏な生活を取り戻すために大学へと復学を決意する彼女だったが、そんな矢先にアパートのエレベーターが落下するという事故が発生。
 多くの住人が死亡する、いたましい大事故となってしまう。


 悲嘆に暮れる住人達は、死体を部屋へと移送して葬儀の準備をしつつ回収を待つ事となるが、折り悪く沿岸地域を記録的な豪雨が直撃。


 アパートは停電したうえに冠水し、アパートの住人達は多くの死体と共に救助を待つ事となるが、その夜、真っ暗なアパートの中で次々と不気味な事件が起こり始め…

 


 悪魔の呪いによって家族を失った女性が引っ越した先は、更に恐るべき呪いの込められた『悪魔のアパート』でした…という感じの設定の、インドネシア製のオカルトホラー映画。


 なんとなく設定やタイトルに聞き覚えがあると思いきや、どうやら本作は2017年に作られたインドネシアのオカルトホラー映画である「悪魔の奴隷」の続編に当たる作品のようですね。


 前作も悪魔崇拝を題材としたオカルトホラー映画』でありながら、ただのオカルト作品とは思えないぐらい派手でイキオイのある内容の映画だったと記憶しているのですが、本作もその系統を引き継ぎつつも更に派手でイキオイのある作品にパワーアップしている印象です。


■映画感想:「悪魔の奴隷」(55点/オカルト)
https://uei-nanigashi.hatenablog.com/entry/68850735


 ただ続編と言っても、そこまで前作からお話を引っ張っている訳でもないので、前作を観てなくてもそこまで困る部分はない感じかな?


 お話としては『悪魔の呪いで母と祖母と末弟を失った家族が、新たな生活をはじめるためにアパートに引っ越して来るんだけど、その場所は実は恐るべき呪いの込められた「悪魔のアパート」で、次々ととんでもない事件が発生していく』みたいな感じの展開。


 序盤は『実はこの場所はアパートの建つ前は墓地だった』みたいな軽いジャブ的な伏線と、メインの登場人物であるアパートに暮らす若者たちのキャラの掘り下げをしながらお話が進んでいくのですが…


 最初の方は主要キャラの掘り下げとかに妙に力が入っており、割と展開も遅めで『意外と地味な話なのかな?』と思わせておきつつも、中盤で山場となるシーンを挟んでからの謎解き展開に突入してからは、非常にテンポが良く終盤の怒涛のようなハイテンション展開に突入していくという流れはなかなか面白いです。


 特に中盤の、矢鱈と尺の長い『エレベーター事故』のシーンの緊迫感はなかなかヤバいですし、その後に起こり始めるの様々なオカルト描写のシーンも雰囲気が良く出てて秀逸。


 犠牲者を襲う『悪魔による襲撃シーン』も、なかなかに趣味が悪くて良い味を出していますし、直接的な残虐映像とかはあまり無いものの良い感じに『嫌な気分』にさせてくれます。


 また序盤~中盤での伏線が一気に回収されていく終盤の流れも面白いですし、ラストの展開もやや唐突感があるものの悪くは無い印象。


 ただ尺が120分と長めで、前述のとおり『お話が動き出すまで』の展開がやや冗長で、尺を多く割いた割にはメインのキャラの関係性とかがちょっと分かり辛いのは難点かも?


 唐突な空の境界」みたいな、和製ジュブナイルホラー的なオチも個人的には嫌いじゃないですし、『続編を作る気まんまん』みたいな終わり方だったので、続きが作られることに是非とも期待したいところですよ。

 


 総評としましては、なかなかに良く出来た『インドネシア製の破天荒系のオカルトホラー映画』って感じの作品ですね。


 前作のノリが好きだった人であれば、本作はそれ以上にパワーアップした内容ですし、前作を知らなくても『イキオイのある系のオカルト作品』とかが好きな人であればなかなか楽しめる良作ではないかと…


 インドネシア製のオカルトホラーのシリーズってだけでも珍しいですし、全体的に良く出来たホラー作品ですので、設定やらテイストやらに興味がある人であればチェックしておいても損は無い一本だと思いますよ。