NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「パペット・キラー」(55点/スラッシャー)

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■■■「パペット・キラー」■■■
(55点/スラッシャー)


 ホラーマニアである母親に幼少期からホラー映画を見せられて育ったジェイミーは、病気で亡くなった母が遺した赤毛のパペット人形であるサイモンとホラービデオを大切にして過ごしていた。


 父と再婚した継母のジャネットは、毎日ホラー映画ばかり観て過ごす彼の事を気持ち悪がり虐待するようになるが、ある日、彼女が何者かに殺害されてしまうという事件が発生。
 事件と同時にサイモンが姿を消した事から、『継母を殺害したのはパペットであるサイモンではないか』と考えるようになる。


 それから10年後、継母の死に深いトラウマを抱えて過ごす彼は、友人たちと共に休暇を過ごすために事件のあった実家に訪れる事となるが、そこで無くなった筈のサイモンの人形を発見し…

 

 母の死によって心を病んだ主人公と殺人パペットにまつわる連続殺人の恐怖を描いた、スラッシャーホラー映画。


 少し前につくられたスラッシャーホラー映画のようなのですが、最近になってネット配信専用として配信開始されたようなので鑑賞してみました。


 お話としては、『ホラーマニアの母に育てられ、継母の死を母の形見である「呪いのパペット」のせいだと考えて心を病んでしまった青年が、友人たちと昔の実家に休暇に出かけたところ連続殺人事件が発生し…』といった感じの展開。


 メインのストーリーとしては、『本当に人形は呪われた殺人人形なのか、もしくは殺人人形が暴れているという妄想に囚われた主人公が殺人を犯しているのか?』みたいな感じのサイコサスペンス要素のあるスラッシャーホラーとして展開していくのですが、基本的には低能な若者たちが殺されまくるバカ映画的なノリの強い作品という印象です。


 殺人人形は、セサミストリートに出てくるエルモとクッキーモンスターを混ぜたようなデザインのハンドパペットなのですが、こいつのキャラがなかなか濃い目。


 ジェイソンっぽいホッケーマスクを被って人間を襲ったりする13日の金曜日」のパロディ(きちんと『シ・シ・シ・ハ・ハ・ハ』という効果音も流れる(笑))っぽいシーンがあったり、斧を持って扉を破る「シャイニング」のパロディっぽいシーンがあったりと、色々と小ネタが仕込まれていたりとハッチャけていて笑わせてくれます。


 また普通の低能な若者が殺されるだけのスラッシャーホラーかと思いきや、途中から殺人鬼姉妹が登場したりと先の読めない展開が仕込まれていたり、お話のノリとしても悪くありません。(まあ殺人鬼姉妹は、思わせぶりに登場するだけで何の活躍もしないんですが…)


 ただハッチャけた内容の割には、全体的にテンポが悪くてちょっと冗長な印象を受けるのは残念なところ。


 殺人人形の殺害方法が妙にアッサリしており、今ひとつ面白味が無くて見ごたえに乏しいですし、ゴア描写が強めな割には全体的に特撮が安っぽくてどうにも派手さに欠けます。


 どうせ頭の悪そうな内容なら、もっと激しいバカバカしいゴア描写を取り入れるか、血糊をドバドバの派手な展開にして欲しかったところですよ。(パペットが血糊で汚れないように、血糊を控え目にしたのかもしれませんが…)


 まあでも、ラストの展開も投げっぱなしながらも割と上手い落としどころだったので、全体的には悪くない印象だったかなぁ?


 あとどうでもいい事ですが、主人公が高校生の設定なのにどう見ても30過ぎ(下手したら40過ぎ)のオッサンにしか見えないのは、どうにかならなかったんですかね?(まあ欧米人は、若くても異常に老けて見える人も居るし…)

 


 総評としましては、『まあまあ楽しめるレベルの低知能・低予算系のスラッシャーホラー映画』って感じの作品ですね。


 やや物足りなさは感じるものの、お馬鹿系のスラッシャーホラー映画が好きならば普通に観れる内容だと思うので、その手の作品に興味があるようであれば悪くない映画という印象。


 そのうちサブスクリプションに入りそうな雰囲気の作品ではありますが、気になるようであればチェックしておいても損は無い一本ではないでしょうか?