■■■「ミッドナイト・マーダー・ライブ」■■■
(65点/サスペンス:結構オススメ)
深夜のラジオ番組を担当するベテランDJであるエルヴィスは、人気DJではありながらもワンマンなうえに悪ふざけがすぎる性格から多くの敵も作っていた。
その日も、いつものように0時からのリスナー参加型のラジオ相談番組の生放送をはじめた彼だったが、そんな彼の元にゲイリーと名乗る男性から連絡があり、『エルヴィスのせいで恋人に自殺されて人生をめちゃくちゃにされた。復讐として彼の自宅で妻と娘を監禁したから言う事を聞け』という不気味なメッセージを受け取る。
妻と娘を人質に取られて、ゲイリーの要望に応じてラジオの生放送を続ける彼らだったが、警察が彼の自宅に突入したところ妻子は自宅に居らず、荒らされたような形跡も無いもぬけの殻の状態である事が判明。
混乱しつつも犯人の指示に従って放送局の一階へと向かったところ、受付の警備員が殺害されているのを発見し…
ベテランDJがラジオの生放送中に妻と子供を人質に取られて、犯人の復讐劇を完遂するために放送を続けることを強要される…という、サスペンススリラー映画。
メル・ギブソン主演による、いわゆるワンシチュエーション系のサスペンススリラーなのですが、なかなかに良く出来た作品です。
お話としては『いきすぎた悪ふざけをする性格のせいで敵も多い人気DJが、ラジオの生放送中に「自宅で妻と娘を人質に取った」という連絡を受けて犯人と対決しつつ放送を続けていくんだけど、犯人は実は主人公の自宅には居らず、更には彼の放送中のビルに時限爆弾が仕掛けられている事が判明し…』といった感じの展開。
とにかく先の読めない展開の連続で、お話が進むに従って『犯人の動機』やら『犯人の真の目的』やらが徐々に明らかになっていく…という謎解き展開は普通に面白いです。
設定的には深夜ラジオの生放送中のビルを舞台とした、いわゆる閉鎖環境型のスリラー映画なのですが、『ビル全体を舞台とした姿を隠した犯人と主人公の追跡劇』みたいな展開もあったりして、あまり閉塞感を感じさせない構成でお話が単調にならないような工夫がされているのも良く出来ているところ。
また、ベテランDJと新人ADの若者の二人がメインの主役的な描かれ方をしているのですが、二人の関係性が一種のバディものっぽいノリだったりと、キャラの掘り下げも割とシッカリとされている印象。
『先の読めない系』のサスペンスなので、あまりネタバレしてしまうと面白くなくなってしまうため詳しい内容は書けませんが、とにかくテンポ良くお話が二転三転していく構成が上手くて観ていて楽しい映画でしたよ。
ただ、基本的には低予算系の『一発ネタ的なシチュエーションスリラー映画』ですので、派手な展開を期待してるとちょっと肩透かしは喰らわされるかも?
あと、ラストのオチに関しては『それで良いんか?』と言いたくなる部分もあって、ちょっと好みの別れる要素ではあるかもしれませんよ…
総評としましては、『なかなか良く出来たワンシチュエーション系のサスペンススリラー映画』って感じの作品ですね。
低予算系でサクッと観れる作品ですので、この手のジャンルが好きな人であれば、そこそこオススメできる映画という印象です。
予告とかを観て気になっているようであれば、とりあえずチェックしておいても損は無い一本だと思いますよ。