NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「パラミドロ」(55点/モンスター)

■■■「パラミドロ」■■■
(55点/モンスター)


 スペインの郊外から、壮年の運転手であるブラスコの運転するバンでライドシェアによって度をする事となったマリエラとリディア、その娘のマルタの4人は、ドライブ中の深夜の森の中で空から落ちてきたと思われる人工衛星のような奇妙な機械を発見する。


 不審に感じつつも現場を後にする4人だったが、その直後に近くの路上をさまよい歩いていた女性を轢いてしまうという事故が発生。


 瀕死の女性を救助するために後部座席へと乗せて病院へと運ぼうとする彼らだったが、実は人工衛星を思われたものはUFOで、その女性は恐ろしく狂暴なエイリアンに寄生され身体を乗っ取られていたのだった…

 


 スペイン郊外を乗り合いのバンで旅をしていた4人の男女が、正体不明の寄生型エイリアンの襲撃を受ける…という、SF風味のモンスターホラー映画。


 宇宙からやってきた寄生生物と人間の戦いを描いた作品という事で、同じようなコンセプトの邦画である吸血鬼ゴケミドロをリスペクトしたタイトルが付けられているようなのですが、今の若い人には恐らく良く分からないだろううえに、何が『ミドロ』なのかも釈然としないタイトルとなっている印象。(まあ、なんとなく語感は良いのですが…)


 まあそれはさておき、映画のお話としては『スペインの森の中を舞台とした孤立環境型のモンスターホラー映画』って感じの作品で、ストーリーも『森の中で拾った瀕死の女性が実は宇宙から来た狂暴な寄生生物に寄生されていました』という、ホントにそれだけのお話という感じ。


 設定にコレといった捻ったような部分や独自性は無いですが、オーソドックスながらも丁寧に作られた作品という印象で、『森の中を車と徒歩で逃げ回る主人公たちを執拗なまでに追いかけまわして襲撃をかけてくるモンスター(に寄生された人間)』の執念深さは良い感じですし、モンスターに寄生された人間の異常なまでのタフさとムチャクチャな身体能力のお陰で、なかなかに見応えのあるモンスター映画となっています。


 ただ先述のとおり、コレといったストーリーらしいストーリーは無いも同然みたいなノリで、特に序盤は偏屈でミソジニーの運転手が乗客の女性解放運動の主義者とダラダラと口論しているだけみたいなシーンが多く、正直言ってちょっと退屈。


 中盤になってモンスターが暴れ回るようになると面白くなって来るのですが、いかんせんメインの登場人物が4人しか居ないせいで襲撃シーンがそこまで多くなくて、ややテンポの悪さを感じる部分があるのは残念なところ。


 またストーリー的に捻った部分は無いものの、主人公の運転手と反抗期の少女が非常に良いキャラをしており、最初は『イラつく2人だな』と感じるようなキャラだった2人が最終的にはバディものっぽく『めっちゃ良い奴らやん!!』みたいバディものっぽいになるのは良く出来ています。


 あとスペイン産の映画らしく、主人公が元闘牛士で『闘牛士の技』を使って怪物と戦ったりするというギミックもなかなか熱くて良かったです。

 


 総評としましては、『そこそこ観れるレベルに仕上がったSFモンスターパニック映画』って感じの作品ですね。


 敢えてプッシュするほどかと言われると悩ましいところですが、この手の『寄生モンスター』タイプの映画が好きであれば、普通に楽しめる一本ではないかと…


 その手の作品が好きであれば、とりあえずチェックしておいても良い作品かもしれませんが、急がなければどこかのサブスク系のサイトとかに入ってから観ても良いかな…って程度の映画だと思います。