NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「サイレント・ナイト」(40点/サスペンス)

■■■「サイレント・ナイト」■■■
(40点/サスペンス)


 とある冬の日。
 イギリス人夫婦のネルとサイモンは、3人の息子たちと共に学生時代の親友とその伴侶たちを田舎の屋敷へと呼んで、クリスマスパーティを開催しようとしていた。


 そしてその年のクリスマスは、どこからか発生した『全ての生き物を殺す謎の毒ガス』に地球全土が覆われつつあり、翌日には毒ガスはイギリスへと到達。


 最後の想い出としてパーティを開催して、政府から配られた苦しまずに死ぬことができる毒薬『EXITピル』を飲んで、みんなで自殺を遂げる予定だった。


 しかし楽しく最後の晩餐を過ごす予定だった彼らだったが、もともと不満の種を抱えていた彼らの間で、死を目前にして本性を巡ってトラブルが続発。


 その間にも『毒ガス』の脅威は彼らの元へと接近しつつあり…

 


 突如として発生した地球全土を覆う『謎の毒ガス』によって人類滅亡を控えた人々が友人たちと共に最後の晩餐ひらいたところ、思いがけぬトラブルが次々と発生していく…という感じの、SFパニック風味のサスペンススリラー映画。


 『避けようのない世界の破滅』に直面した人々が、政府の配る『自殺薬』を飲んで死を図る…という設定を聞くと、SFファンの人であれば名作破滅SFである渚にて…」を思い出すかもしれませんが、実際の内容の方も『品の無い「渚にて…」』みたいな内容のお話です。


 お話としては『とある夫婦が全国民の集団自決を目前にして、古くからの友人たちと最後の晩餐を開催するも、もともと不満を抱えつつ付き合いを続けていた彼らの関係は、死を目前にどんどん険悪になっていき…』みたいな感じのストーリー。


 ノリとしては、田舎の屋敷を舞台に繰り広げられる『世界の破滅を題材にしたワンシチュエーション系のスリラー映画』って感じの作品で、『世界の破滅』といいつもの具体的なパニックとか世界規模の災害的な描写はなし。


 主人公たちの会話の端々で『毒ガスによる脅威』が語られたり、子供たちがスマホの動画で『毒ガスの雲』の映像を少しだけ眺めたりする程度で、パニック映画的な要素は殆どありません。


 ではパニック要素の無い『世界の破滅』映画で何が描かれるかと言うと、集まった主人公の友人たちの夫婦がひたすら下品に騒いだり、内ゲバを繰り広げたりするシーンを見せ続けられるような感じの内容。


 まあ、もともと死を目前にした人々の『死生観』とかをテーマにしつつ、ブラックユーモア的なノリで社会風刺やらを描いていくというタイプの作品な訳ですが…


 最初から、主人公を含む登場人物の全員が基本的に『不快なキャラクター』ばかりで、そいつらが細かいイザコザを繰り返しつつ、関係がどんどん険悪になっていくのを見せ続けられるといった感じの内容のため、観ていてとにかくイライラさせられてしまいました。


 社会風刺としてもブラックユーモアとしてもあまり面白くも無いので、正直なところ観ていて『さっさと毒ガスが来て、みんな死んでくれないかな?』みたいな感想しか抱けませんでしたよ…


 テーマやシチュエーションは悪くなかったと思うので、せめて主人公たちだけでも好感の持てる感じのキャラにしててくれれば、もうちょっと感情移入して観れた気はするんだけどなぁ。


 オチに関しても割と予想できるような内容でしたし、どうにもストレスばかり溜まって物足りなさの残る作品という印象でしたよ…

 


 総評としましては、ディザスターパニック風味だけど『地味な内容で盛り上がりに欠けるシチュエーションスリラー映画』って感じですね。


 ちょっと捻った設定ではあるものの、それが面白さに繋がっているかと言われると悩ましいところなので、正直なところオススメし辛い一本という印象。


 設定とかシチュエーションとかが気になる場合は、観てみるのも悪くないかもしれませんが、ウザいキャラどうしの内ゲバをひたすら見せられる要素が大半なので、『そういう部分が苦痛にならない人であればどうぞ…』って感じかなぁ?