■■■「キングスパイダーVSメカデストラクター」■■■
(15点/生物パニック)
軍隊の極秘研究によって作られた30mを超える巨大グモ「キングスパイダー」がハリウッドを襲い、米軍とキングスパイダーの戦いによってハリウッドが壊滅(壊滅させたのは殆ど軍隊の攻撃だけど)
してから1年、ハリウッドは未だに焼け野原と化していた。
廃墟と化したハリウッドの街に未だに潜む巨大グモと軍隊の戦いが続く中、一人の男が軍の秘密研究であるキングスパイダーの標本をラスベガスへと持ち出し、それを売りさばいて金を得ようとするが、エージェントに追い詰められた男は誤ってキングスパイダーを鞄から逃がしてしまい、キングスパイダーの幼体は男を食って街へと逃走してしまう。
そして、街へと逃げ出した幼体はまたしても異常繁殖を繰り返して合体し、巨大なキングスパイダーとなってラスベガスの街を襲い始めるが、これに対して軍は米軍の最終兵器である巨大ロボット「メカデストラクター」を出動させて迎え撃つのだった!!
『禁断のスパイダー・ムービー』という鳴り物入りでアルバトロス・コアから発売された、ある意味本当に禁断とも言えるレベルの最強のクズ映画である「キングスパイダー」( http://blogs.yahoo.co.jp/uei_nanigashi/226144.html )の続編に当たる生物パニック映画。
あんな、ショボさのあまり笑うしかないような救いようの無いクズ映画に、ホントに続編が出たの!?と、思わず我が目を疑ったのですが、どうやら冗談でも間違いでも何でもなくホントに間違いない続編のようです。
…っていうか、続編が作られるって事は、前の映画って結構売れたんですかねぇ?
映画の内容は相変わらずも酷い出来なのですが、前作に比べると微妙に特撮が進歩しており、『手に負えないぐらいショボい映画』から『物凄くショボい映画』ぐらいにまでなっています。
もしかしたら、前作でちょっとお金が入ってグレードアップでもしたのでしょうか?
あまりにショボ過ぎて笑えた前作に比べると、ちょっとだけマトモに観れる部分が多くなってしまい、逆に見所が少なくなってしまったという話も…(笑)
といっても、相変わらずバズーカ砲は向こうまで筒抜けの『単なる筒』ですし、戦車のハンドルは『自転車のハンドル』のままですし、キングスパイダーは、どう見てもミニチュアを誰かが手で持って動かしているだけだったり、CGは相変わらずマトモに見せるつもりがないような合成レベルだったりと、色んな意味で期待は裏切りません。
ストーリーも相も変わらず支離滅裂でツッコミどころ満載なのですが、今回は明らかに狙ってバカをやってるシーンも多くて、仲間のエージェントがキングスパイダーに襲われている所を仲間もろともバズーカで吹っ飛ばしておいて、真っ黒焦げを通り越して消し炭状になった仲間に『大丈夫か!?』と駆け寄るシーンには不覚にも爆笑してしまいましたよ。
軍隊は今回も私情挟みまくりで、単に逃げ回るだけのキングスパイダーを狙いつつ、流れ弾でラスベガスの気に食わないカジノを破壊しまくり、街を火の海にしまくってくれたりと、相変わらず禁断のスパイダー・ムービーっぷりを発揮しております。
今回は軍隊が「メカデストラクター」という、ゾイドとメカゴジラを足して2で割ったような巨大ロボット兵器を出動させてキングスパイダーと戦うのですが、このメカデストラクターは意外と良く出来ていて、少なくともキングスパイダーの模型の10倍ぐらいの予算がかかっていそうな感じ…
なんとなく『20年ぐらい前の特撮ならこんなレベルだったかも?』と思える程度に特撮が進歩している所に製作者の意気込みを感じるのですが、本編では超兵器が登場しても、その破壊力によって街の被害が拡大してるだけで、あまり役に立ってない辺りがなんとも…
いやまあ、なんと言いますか…今回も配給元のアルバトロス・コアの売り文句が『ホントに禁断のスパイダー・ムービー再び登場!!』という事なんですが、確かに本作も世間に出して良いレベルとは言い難いので、何とも言いえて妙な売り文句だと言えます。
総評としましては、前作ほどの強烈なクズ度のインパクトは無くなっている物の、やっぱりZ級のクズ映画には間違いありません。
クズ映画マニアなら、とりあえずネタの為に観ておいても良い作品かもしれませんが、もし前作を観ていない場合は、先ずは前作から鑑賞する事をオススメします。
ストーリーが繋がってるとかは気にしないでも良いレベルなのですが、前作の方がクズ度が上ですので。(笑)
前作を観てある意味で期待してる人は、とりあえず期待に沿うぐらいのレベルのクズっぷりではありますので、笑う為に観ると言う分には止めはしませんよって、思うさまショボさとツッコミどころを堪能して下さい。
あー、ちなみに普通の生物パニック映画を観たい人は絶対に手を出してはなりませんよ…
なんせ、アルバトロス・コアですから!!