■■■「巨大毒蟲の館」■■■
(30点/生物パニック)
生物学を専攻し無類の虫好きの女子大生であるカミは、虫たちに高い知能を与える為の遺伝子操作の実験の為に、寮の自室で沢山の虫達を飼育していた。
しかしそんなある日、彼女の飼育中の毒虫の一匹がケージから脱走し、同級生の部屋へと現れた事から、怒った同級生によって彼女の買う虫は全て殺虫剤で殺されてしまう。
泣く泣く虫達の死骸を捨てるカミだったが…
しかし虫達は実は死んではおらず、遺伝子操作と殺虫剤の影響によって突然変異を起こした虫達は、何十倍もの姿に巨大化して寮に住む女子大生達を次々と犠牲にし始めるのだった…
突然変異によって巨大化した毒蟲が女子大生を襲うという、いかにもアレでいかにもヤバそうな感じの生物パニック映画。
ちなみに、登場する毒蟲はサソリとかタランチュラとかカマキリとかカブトムシとか…ってカブトムシがデカくなっても、あんまり怖くない気がしますが、まあ細かい事は気にしない方向で。
もう、本編を観る前にタイトルからして、いかにもな『B級』を通り越して『Z級ホラー』臭をプンプンさせている本作ですが、内容の方も『ある意味で非常に視聴者を裏切らない作品』です。
本編開始後30秒ぐらいで、いきなり『物凄いショボいCGの巨大昆虫』が恥ずかしげも無く堂々と画面に登場したのは、思わずコーラを吹きそうになりましたよ…
内容の方は、まあ解説の必要も無いパーティとセックスに明け暮れる低脳な女子大生が次々と巨大昆虫に食われて死んでいく…という、エロとグロを狙っただけの、ひねりも何も無いコテコテな展開。
しかも、低予算ゆえに特撮も驚くほどショボく女優もアレな感じなので、たいしてエロくもグロくと無い辺りが涙を誘う…というよりも、むしろ笑いを誘います。
シーンによって巨大昆虫の縮尺がまちまちだったり、どうみても中型犬ぐらいのサイズしかない巨大昆虫に人間がまるまる一人食べられてしまったりとか、ツッコミどころも満載。
話の展開もグテグテで、序盤の巨大昆虫があまり出てこないシーンとかホントにダルくて見てられませんし、巨大昆虫が登場したら登場したで特撮がショボすぎて別の意味で『目を覆わんばかりの残虐シーン』を展開してくれて、これまた見てられません。
…が、全体的に『製作者が楽しんで作ってるなぁ』と感じさせる作りと、ショボすぎて逆に笑えるという内容から、とりあえず『笑えるレベルのクソ映画』として仕上がっているのは、辛うじて評価できる点では無いかと…
総評としましては、ぶっちゃけて言うと『どうしようも無いZ級ホラー』ですが、『どうしようも無さ過ぎるところが笑える』作品でもあります。
マトモにB級ホラーを期待して借りると流石にキレると思いますが、『Z級のクソ映画が大好きな人』や『ネタ映画として観よう』と言う人ならば、とりあえず観て置いても良いレベルの一本ではないかと…
「深海からの物体X」みたいに『B級の更にパクり』みたいな、そっち方面のクズ映画が好きな人なら是非。