■■■「アース・トゥルーパーズ 地球防衛軍vs巨大蟻軍団」■■■
(30点/生物パニック)
ある年、地球目掛けて2つの巨大隕石が飛来。
地球への衝突コースを取っていた2つの隕石は宇宙空間で衝突し、大量の小型の隕石が地上めがけて降り注ぐという未曾有の大災害が地球を襲った。
災害を予測していた人類は災害に備えて非難していたため、大事には到らず世界は再び平穏を取り戻したかに見えたが…
しかし、隕石の衝突は思いがけない形で人類に影響を与えようとしていた。
隕石の衝突の影響で、太古の昔から地底奥深くに眠っていたある物が目を覚まそうとしていたのだ…
隕石の衝突で蘇った巨大アリの大群によるパニックを描いた、生物パニックホラー映画。
家庭用ゲーム機のゲームで「THE 地球防衛軍」という巨大アリの大群と戦うというアクションゲームがあるのですが、あのゲームみたいな感じの全長数mの巨大アリが登場するパニック映画です。
映画のタイトルも恐らくそのゲームを意識したっぽい感じに、『地球防衛軍vs巨大蟻軍団』なんてサブタイトルが付いてるもんだから、軍隊がバリバリと巨大アリを戦う映画かと思ったのですが、軍隊は単なる無能の集団みたいな扱いでマトモにアリと戦うのは民間人ばかりで、なんかタイトルに偽りアリな感じ…
っていうか、民間の零細の害虫駆除業者よりも無能な軍隊って一体何なの?
しかも、低予算映画らしくアクションも戦闘シーンもやたらとショボくて少々ガッカリ。
巨大アリはCGで描かれてるんですが、本作も低予算のCGモンスター映画らしく人間とモンスターの絡みのシーンは、カットの繋ぎでそれっぽく見せてる物のやっぱちょっと無理がありますね。
まあ、この辺の特撮レベルのショボさは『聞いた事も無いB級映画』って時点で最初からある程度は覚悟完了していたのですが、むしろこの映画はストーリーの方が少々問題あり。
なんというかシーンの繋ぎがやたらと雑で、とにかく分かり辛いんですよ。
同じシーンの連続の筈なのに、シーンが切り替わる毎に間のプロセスを10分間ぐらいスッ飛ばしたような印象を受けるシーンが多くて、なんかTV放映に合わせて尺をカットされたダイジェスト版でも見てるみたいな気分になるシーンが多く…
かといって、別に『内容を詰め込みすぎ』と感じる程に内容の濃い話でも無くて、なんだか良く分からない構成です。
序盤に出てきた『巨大アリをこっそり捕まえている大富豪』のエピソードとか、後半の展開には全く関係ないですし、なんか全体的に無駄の多さを感じるシーンが多くて、『きっと監督の頭の中ではちゃんと話が繋がってるんだろうな』と思うのですが、ちょっと構成力不足の感は拭えません。
ラストの女王アリとの対決シーンとか、微妙に燃えるようなシーンも無くは無いため『狙わんとしてる方向性』は分からなくは無いんですが、もうちょっとストーリーをシェイプアップして描きたい部分を明確にした方が良かったかも?
総評としましては、荒削りなのは致し方ないにしても、ちょっと『荒削りすぎて見るのが辛い映画』ってのが正直な感想ですね。
この監督があと3~4本ぐらい映画を撮って、観るに耐えるレベルのマトモな作品が撮れるようになったらちょっとは期待が出来るかもしれませんが、少なくとも本作は生物パニック映画好きでもあまりオススメは出来ないかなぁ?
ラストのオチだけはちょっとウケましたが、この手のB級パニック映画にしては微妙に尺が長く(100分程度)て途中で『もういいや、早く終わらんかなぁ…』って感じるような映画でしたよ…