■■■「ブルーサヴェージ」■■■
(生物パニック/65点:結構オススメ)
スペインのマヨルカ島でヘリのパイロットを営むスヴェンは、生物学者のベネット博士を海洋生物学研究所(MBI)へと送迎中にサメ見学の観光ツアーの参加中に遭難した観光客を救出するが、救出された観光客は『海の中で巨大な怪物を見た』との証言をする。
果たしてその翌日に、海岸で巨大なサメに襲われたと思われる死体を発見、更に死体の側で巨大なサメの歯が発見され、サメの歯を持ち帰ったスヴェンは、そのサメの歯が自分の妻が3年前に襲われた際に現場に残っていた歯と同じ種類の物である事を知り。
妻を殺したサメが帰ってきたと確信し復讐を誓う彼は、そのサメの歯の調査をMBIへと依頼するが、その歯は10万年前に絶滅し現代には存在しない筈の全長20mを超える巨大ザメ「カルカロドン・メガロドン」の物であった…
こうもアルバトロス配給の映画ばっかり連発してレビューしてると、何かアルバトロス信者のブログみたいで何ですが…
今回もアルバトロス配給の、10万年前に絶滅したとされる巨大ザメ・メガロドンを題材とした生物パニック映画。
メガロドン映画というと、今まで本当に『当たり無し』といった感じでクズ映画ばっかり観させられてきたのですが、今回もアルバトロスだし『どうかなぁ?』と諦め半分で借りてみたのですが…
なかなかどうして、今回は非常に丁寧に作られた佳作ホラー映画と言える一本でした。
本作は劇場公開されたものではなく、スペインかどこかでTV映画向けに作られた作品のようなのですが、TV映画の割には結構な予算が使われているようで、単なる生物パニック映画の枠に収まらず、アクションシーンあり、カーチェイスありとエンターテイメントとして十分に楽しめるレベルの内容。
登場人物たちのキャラの描き込みも非常に丁寧で、復讐に燃える主人公を中心に捉えながら、主人公の娘のロマンスや、主人公と親友との友情といった部分も描きつつ、とにかく見せ場のシーン以外も普通に観ていて飽きない作りになっているのは見事と言えるでしょう。
ただ、この『盛り沢山な内容』が同時に仇にもなっており、全体を通してメインである筈のメガロドンの出番が非常に少ない!!
実物のサメなんかも結構いっぱい出てくるし、メガロドンのCGは少々チープながらも、『ゆっくりと身体を捻りながら水面の人間に襲い掛かるシーン』とかモーションなんかも結構良く出来ているのに、全編通して10分ぐらいしか出番が無いってのは、幾らなんでも勿体無さすぎです。
ハッキリ言って、中盤辺りでは『主人公の娘のロマンスなんてそんなに丁寧に描かなくて良いから、もっとサメをいっぱい出せ!!』とか真剣に思ってしまいましたよ…。
他のシーンで、結構予算を使ってるんだから『サメのCGを作る予算が足りなかった』って事も無いんでしょうし…あるいは、他のシーンで予算を使いすぎてCGに回す予算が無くなったとかなんでしょうか?
とにかく、もうちょっとメガロドンに見せ場があれば文句なしにオススメの一本になったと思うのに、非常に惜しい事この上ないですよ!!
総評としましては、生物パニック映画好きに限らず、ごく普通にエンターテイメントとして楽しめるレベルで、佳作と呼んでいいぐらいに良く出来た作品だと思います。
生物パニック映画が好きならば、とりあえず観て置いて損は無い一本だと思うので、興味のある人は是非ともチェキしてみて下さい。
とりあえず『メガロドン映画に当たり無し』の認識は、コレで変えなくてはならなくなりました。
あとは、ディズニーが映画化権を買い取ったスティーブ・オルテンの「メガロドン」(MEG)が、何時になったら映画化されるのかを待つばかりですよ…。