■■■「ハイド・アンド・シーク 暗闇のかくれんぼ」■■■
(45点/サスペンス)
9歳の少女であるエミリーは、ある日、母親の自殺の現場を目撃してしまった事から心を閉ざしてしまい、カウンセリングによる心理療法もなかなか効果を発揮せずに心の傷を癒せないでいた。
父親で心理学者であるディヴィッドは娘の治療の為に環境を変えるべく、田舎の寂れた避暑地の一軒家へと引っ越すが、娘のエミリーは引っ越してスグに存在しない筈の『チャーリー』という架空の友達の話を語り始める。
最初は娘の妄想だと考え、なんとか治療出来ないかと努力していたディヴィッドだったが、やがて彼らの周りで『チャーリー』が引き起こしたと思われる奇妙な出来事が起こりはじめ…
演技派の名優であるロバート・デ・ニーロと、名子役であるダコタ・ファニングが主演という事で話題となった、サイコスリラー風のサスペンス映画。
流石に名優で知られるデ・ニーロとダコタ・ファニングの演技と、寂れた田舎町の雰囲気に支えられて、映画そのもののテイストは決して悪くは無いのですが、サスペンス映画としてみると、ハッキリ言って『う~ん?』といってしまうようなレベルの作品です。
序盤は娘の奇妙な行動と『チャーリー』は存在するのか?といった部分が主軸となって話が進む訳ですが、とにかく伏線を張るだけで何も事件が起こらないので少々ダレ気味。
そして伏線張る時間が長かった割には、中盤辺りで恐らく殆どの視聴者がオチを容易に予測出来てしまうんでは無いか?と言う様な見え見えの展開になってしまうのはちょっと…
演出の意図してる事は分かるのですが、『少々ムダかな?』とか『ちょっとクドいかな?』と思うような部分が多く、その割にラストで釈然としないまま終わる部分もあったりして、脚本が練りこみ不足な印象は拭えません。(結局、エミリーが暗闇を恐れるのには何か意味があったの?)
主演2人の演技が素晴らしいだけに、むしろこの映画にはちょっと勿体無いなぁ…という気がしてしまうのは何とも…
ちなみにDVDにはラストシーンが2つ用意されているのですが、個人的には劇場公開ではない方のアナザーエンディングの方が好きですね。
あまりにも救いが無い終わり方ですが、この映画のオチとしてはこっちの方が現実的で相応しいのでは無いかと…
総評としましては、鳴り物入りの作品の割には正直言って期待はずれといった感じの微妙な出来のサスペンス映画です。
サスペンス好きだと逆に消化不良になってしまいそうな作品なので、ちょっとオススメは出来かねますが、とりあえずデ・ニーロとダコタ・ファニングのファンならば、演技を見るためだけに観ておいても良いかも?って程度の作品でしょう。
気分的には、半額レンタルとかになってからで十分なレベルの作品かなぁ…とか思ってみたり…