■■■「ディープポセイドン」■■■
(モンスターパニック/25点)
原子力潜水艦ニューアークが作戦行動中に、謎の事故によって消息を絶つ。
潜水艦は3ヵ月後にカリフォルニア沖の深海に座礁している事が発見され、潜水艦に積まれていたという軍の最高機密の積荷を回収するために、軍の研究機関であるジェネティック社のライアン教授率いる、アメリカ海兵隊のチームが編成され、彼らは深海に眠る潜水艦へと乗り込む事になるが…
そこで彼らが見た物は、200人余りのクルーの何者かによって惨殺された死体の転がる、地獄のような光景だった。
彼らは、不自然なまでに損傷した死体や艦内の光景に不気味なものを感じながらも、任務遂行のために艦の機能を回復しようと試みるが、やがて彼らは、艦内に彼ら以外の『何者か』が潜伏している事に気付くのだった…
「ディープポセイドン」とかって言っても、現在劇場にて公開されている「ポセイドン」とも「ポセイドンアドベンチャー」とも当然ながら全く何の関係も無い、巨大サソリが登場する単なるモンスターパニック映画です。
っていうか実際の話、舞台が潜水艦ってだけで深海にちなんだ怪物でも何でもないですし、潜水艦が転覆してる訳でも無いですし、ホントに1mmたりとも「ポセイドン」っぽい部分は無いですので、幾ら旬のタイトルだからといってこの映画に『ポセイドン』と冠を付けるのは無理がありすぎでしょう…
ちなみに原題は「STINGER」で、サソリ主役ってまんまな感じのタイトルですな。
序盤のモンスターが登場するまでの前振りの部分は結構面白くて、『結構いい感じかも?』とか思うんですが、とにかくモンスターが登場するまでが長すぎで、小出しに登場するどころか終盤近くまでモンスターに対する説明すら行われないため、中盤からは展開が冗長すぎてイライラします。
中盤まで、やたらとエラそうで強硬な態度を取ってた女教授が、唐突に会心してヒロインっぽい扱いになるのも納得行かないですし、なんか全体的にストーリーに無理があり過ぎ…
唐突で意味不明のオチもいかにもB級映画って感じですし、ストーリーはハッキリ言っていただけません。
また、怪物のデザインも単なる巨大なサソリってだけだし、人間の襲撃の仕方や攻撃方法にも全く芸が無いですし、怪物と人間との絡みのシーンもちょっと淡白すぎです。
サソリの女王とかが出現するものの、ソレも他のサソリよりちょっとデカいってだけで捻りも何も無いですし…
せめて、もっと怪物の出番が多くて面白味があればなぁ…
総評としましては、なんというか普通に出来が悪いB級…というか、D級ぐらいのホラー映画です。
そこまで究極に低予算って感じでも無いので、少しでも見所があればそれなりに楽しめたのかもしれませんが、悪い意味でB級スタンダードって感じの内容なので、ハッキリ言って特に観る価値は無いでしょう。
あと余談ながら、この映画の登場人物って殆ど全員が海兵隊員のため、髪型が坊主頭か角刈りのキャラしか居らず、中盤まで真剣にキャラの見分けが付かずに困ったのは私だけですかね?