NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ファイナル・カット」(40点/SFサスペンス)

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■■■「ファイナル・カット」■■■
(SFサスペンス/40点)

 人間の脳に埋め込む事で、その人間の一生を記録する事が可能な「ゾーイチップ」と呼ばれるチップが開発された未来世界。

 ゾーイチップの映像を用いて、死後にその人間の経歴フィルムを編集する事を仕事とする「カッター(編集者)」の中でも、特に優秀な編集者であるアラン・ハックマンは、ある日、ゾーイチップの開発会社の弁護士であるチャールズの過去を編集する事となる。

 しかし、そんなアランの元に、元「カッター」の同僚であり現在はチップ反対派の尖兵となっているフレッチャーが現れ、ゾーイチップの開発会社の不正を暴き貶める為にチャールズのチップを譲る事を要求してくる。

 もちろん、そんな要求はプロとして拒否したアランだったが、チャールズの記憶を編集中に偶然にも自分の過去のトラウマとなっている『とある事件』に関する情報が記録されていたのを発見し、激しく動揺を覚えるのだった…


 「ファイナル・カット」と言っても、同名のジュード・ロウの死の謎に迫るサスペンス映画とは関係なく、ロビン・ウィリアムス主演のSFサスペンス映画です。

 脳に埋め込む事で、その人間の人生の一生を記録する事が可能『ゾーイチップ』と呼ばれるチップが開発された未来。

 主人公は、死んだ人間のゾーイチップから、その人間の一生を紹介するフィルムを作成する「カッター(編集人)」と呼ばれる職業の人間です。

 人間、誰しも『思い出は美しくありたい』と思う訳で、その要望に沿うようにフィルムを作る(人生を編集する)のが「カッター」の仕事な訳ですが…
 実際に現代でも結婚式やら葬式やらで語られる人間の経歴というのは甚だ美化されている物ですので、もし人間の記憶からフィルムを作れる時代が来れば、そういった職種が出来てもあながちおかしくは無いでしょう。

 ただ、他人の過去を覗き見るという特性上、「カッター」は強い守秘義務を持っている訳ですが、いくら守秘義務を持っているとは言え、自分の一生を記録するようなチップを移植して他人に人生を見られたいと思う人間が居るか?と言われると甚だ疑問。

 少なくとも自分なら、そんなチップは絶対に付けませんねぇ…
 もし、自分の一生が記録されているかと思うと落ち着いてHなビデオも見る事が出来ないですよ。(笑)

 とまあ、そんな話はさておき…

 最初は、『他人の記憶を扱う』という職業柄どうしても避けれないようなトラブルに巻き込まれていく…という設定の、単なるSF風味のサスペンス映画なのかと思って観ていたのですが…
 『他人の記憶の中に、思いがけずに自分の過去の秘密に関する情報を発見してしまい、そのせいで人生が急転していく』という展開はかなり意表を突かれました。

 ただ、それが『映画そのものの面白さに直結しているか?』と言われると、正直言って微妙な所。

 実際にストーリーの上で、『他人の記憶にまつわるトラブル』『自分の過去にまつわる秘密』とのお話が同時に進展していくのですが、この2つがあまり関連を持っていない別々のお話なので、どうにも話の展開が分かり辛くて、主題が見え辛くなってしまった感じがします。

 また、パッケージや設定だけみるとサスペンスというよりスリラーっぽい印象を受けるのに対して、実際の本編の方は割としんみりとした感じのお話で…
 他人の過去を編集する事で『他人の罪を背負って生きていく事となる』という「カッター」を「罪食い人」に喩える比喩や、自分の歩んできた人生を人に語る必要がある時に『人は人生を生きていく上で、未来に何を残していくべきなのか?』とかなんて事を考えさせられるようなウエットな感じの内容ですし…

 ラストの釈然としないオチも含めて、あまりに予想してたのと違う展開が多く、どうにも終始『キツネにつままれたような感覚』を感じる作品で、観終わった後に言いようの無い虚脱感を感じたのは私だけですか?

 総評としましては、面白いとも面白くないとも言えないような、良くも悪くも『何だこれ?』という様な感想を抱く映画です。

 特にコレと言う程のオススメポイントも無いような映画ですが、観終わった後に茫漠とした脱力感というか虚無感を味わいたいような人なら、まあ観てみても良いかも?

 何か上手く感想を書けませんが、何とも上手く言い表せないような映画だったと言う事で…