NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ロスト・フライト」(65点/アクション)

■■■「ロスト・フライト」■■■
(65点/アクション)


 大みそかの夜に、シンガポールから東京に向かうジェット機でフライトを行う事になった機長のトランスは、離れて暮らす娘と正月の休暇をホノルルで過ごす事を楽しみにしていた。


 しかしそんな矢先にフライト先の悪天候や、移送中の殺人犯であるガスパールを搭乗させる必要がある事を告げられたりといった事態に不安を感じつつも、14人の乗客を乗せてフライトに挑む彼だったが、フィリピン沖上空で機体は激しい嵐に遭遇。
 落雷の直撃を受けて計器が故障したことから、付近に不時着を余儀なくされてしまう。


 なんとかジャングルの空き地に着陸を成功させた彼だったが、彼らが着陸したその場所は凶悪な反政府ゲリラによって支配された、世界最悪の無法地帯であるホロ島だった…

 


 嵐に遭遇したジェット旅客機が乗客を乗せたまま反政府ゲリラの支配する無法地帯に不時着、乗客を人質に取られた元軍人の機長がゲリラを相手に戦いを挑む…という、ディザスターパニック風味のサバイバルアクション映画。


 なんとなく、航空機ものの災害パニック映画と「ダイ・ハード」を足して2で割ったような設定ですが、実際の中身の方もまさに『そんな感じの映画』というのがシックリ来る内容の作品です。


 お話としては『とある航空機が嵐に巻き込まれて故障し緊急不時着する事になるんだけど、着陸した場所が東南アジアの反政府ゲリラの支配区域で乗客たちが人質に取られてしまい、元軍人の機長とたまたま乗り合わせていた元傭兵の犯罪者が、協力して人質を奪還して危機からの脱出を図ろうとする』みたいな感じの展開。


 序盤は割と普通に『航空機パニックもの』かと思わせておいて、なんとか無事に着陸できたと一安心するも、実はその場所が反政府ゲリラの拠点となる島でいきなりアクション映画的な展開に突入していくという二段構えの構成は、ちょっと意外性があって面白いです。


 『災害パニック』+『サバイバルアクション』みたいな基本プロットに加えて、他にも『面白そうな要素をとりあえず色々と詰め込んでみました』みたいな感のある内容で、主人公が『元軍人のエリートパイロット』というお約束な感じの設定なのに加えて、主人公に協力することになる護送中に殺人犯が『元フランスの傭兵部隊出身』で、二人の『パディもの』的な関係が描かれていたりするという欲張り設定。


 他にも主人公たちを救出しようとする航空会社の『緊急対策チーム(民間の傭兵部隊)』の活躍が描かれたりと、ディザスターパニックあり、格闘・銃撃戦ありの盛沢山な内容になっています。


 盛沢山ゆえに全体的に非常にテンポも良く、どこを切り取っても『見せ場の連続』といった感じでサクサクとお話が進んでいくのは非常に良くできたところ。


 ただ、逆に色々と詰め込みすぎているせいで一つ一つの要素の密度が薄く、またお話のスケールやら登場人物の少なさやらで、やや低予算を感じさせる部分があるのは辛いところかな?


 アクションシーンとかパニックシーンにしても、もうちょっと派手で見せ場になるような部分が欲しかったところですし、主人公の相方となる殺人犯や、敵役となる反政府ゲリラのボスなんかも、もう少しキャラに掘り下げがあっても良かったかも?


 また色々とお約束の設定を詰め込んでるのは楽しくて良いのですが、あまりにもお約束が多過ぎて先の展開が容易に読めてしまうのは、やや物足りない部分かなぁ…

 


 総評としましては、『やや低予算ながらも普通に楽しめるレベルのサバイバルアクション映画』って感じですね。


 色々と詰め込まれてて楽しい内容ではあるのですが、やや詰め込み過ぎの感もあってちょっと物足りなさも感じる内容といった感じで、『何かの息抜きにサクっと楽しむ』にはちょうど良いレベルのアクション映画という印象でした。


 まあでも普通に面白い作品ですので、気になる人はとりあえずチェックしておいても損は無いと思います。


 つか、観る人もこのタイトルから『航空機パニック』+『ダイ・ハード』は予想できないと思うので、もうちょっと邦題は工夫した方が良かった気がしますよ。(「ダイ・ハード」っぽいタイトルにするとか…(笑)