NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「フライト・ゲーム」(65点/サスペンス)

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■■■「フライト・ゲーム」■■■
(65点/サスペンス)

 NY発ロンドン行の旅客機であるAQ10便に『乗客を装って航空機を守る』という任務遂行のために乗り込んだ航空保安官のビルは、フライト中に何者かから携帯に奇妙なメッセージを受け取る。

 それは『指定の銀行口座に1億5000万ドルをふりこまなれば、20分おきに乗客を一人づつ殺す』というものだった。

 彼は悪戯なのか本当の犯行予告なのか半信半疑ながらも地上の航空保安局に情報の調査を依頼し、同じ機に乗り込んでいた同僚のハモンドとともに事件の調査を開始しようとするが、ハモンドが思いがけずに犯人の共犯者である事を知った事から乱闘になって彼を殺害してしまう。

 そんな矢先、航空保安局の捜査により身代金の振込先の口座番号がビルの口座である事が発覚。
 更に犯人の予告どおりに殺人事件が発生した事から、彼こそがハイジャックの犯人ではないかと疑われるようになってしまい…



 ハイジャック防止の為に国際便に乗り込んだ航空保安官が正体不明の連続殺人犯と対決するという、サスペンススリラー映画。

 「アンノウン」の監督の新作という事で変化球的な内容かと思いきや、意外と普通の佳作サスペンス映画という感じの作品ですね。

 「フライト・ゲーム」って言うタイトルから、サイコパスの犯人の仕組んだ『死のゲーム』的なノリの内容かと思いきやそういう訳でも無くて、良くも悪くも正統派な内容という印象。

 お話としては『ある航空保安官の乗り込んだ航空機で連続殺人が起きて身代金が要求されるんだけど、犯人の仕組んだ罠によって航空保安官自身が犯人と疑われるようになってしまい…』というような設定で…

 『真犯人は誰なのか?』という事や『主人公を犯人に仕立て上げようとする真犯人の目的は?』みたいな謎を追う形でお話が進んでいく感じです。

 この謎解きやシチュエーションはなかなか面白いと思うのですが、序盤から20分という短いサイクルで殺害予告が行われるうえに、主人公の同僚が事件に関わってたり主人公の過去に問題があって犯人と疑われたり…といった展開が序盤の30分ぐらいに詰め込まれているため、お話の展開が矢鱈と忙しい印象。

 更に主人公やらヒロインやらのキャラクターの描き込みまでやろうとしているので、ちょっと設定がゴチャゴチャしすぎててお話に集中しづらい感じになってしまっているのは難点かなぁ?

 まあスピーディで退屈しない展開という点では、なかなか良い感じだとは思うんですけどね。

 やや詰め込み過ぎな感はあるもののお話自体はなかなか良く出来ており、単なる連続殺人だけじゃなくて『ハイジャック犯と勘違いされた情況をどう打破するか』とかって要素も含めた先の読めない展開や、連続殺人のタイムリミットに追われながら謎解きを進めていくという設定のハラハラ感は良い感じです。

 ただ、この手のサスペンスでは宿命とも言える感じの要素ではありますけど、真犯人に関する謎解きに関しては賛否両論あって不満を持つ人も多そうな感じかも?

 あとオチにやや投げっぱなし感はあるものの、ラストの展開とかなかなか熱くて非常に盛り上がる感じで面白かったです。


 総評としましては、特筆するほどの要素は無いものの普通に良く出来た『佳作レベルのサスペンス映画』って感じの作品ですね。

 敢えてプッシュする程ではないですが、スピーディーでテンポの良い感じのサスペンス映画が好きな人であれば普通に楽しめる作品だと思いますので、そういうタイプの映画が好きであれば観ておいても損は無いでしょう。

 シチュエーションスリラー的なノリに期待してるとちょっと肩透かしを食らうかもしれませんが、全体的に見て悪く無い出来の一本でしたよ。