NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「スクリーム4:ネクスト・ジェネレーション」(75点/スラッシャー:オススメ)

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■■■「スクリーム4:ネクスト・ジェネレーション」■■■
(75点/スラッシャー:オススメ)

 過去に連続殺人事件に巻き込まれたシドニーは自分の過去を振り払うために小説を出版し、10年ぶりに故郷へと帰郷する事で人生の再スタートを送ろうとしていた。

 彼女の巻き込まれた殺人事件は「スタブ」というタイトルでシリーズ映画化までされていたことから地元の著名人として大歓迎されるが、再び彼女の帰郷を狙ったかのように街で若者が殺害されるという事件が発生。

 従妹であるジルの友人が犠牲者となっている事から事件が『シドニーの周辺の人間』を狙ったものであると考えた彼女は、なんとかしてジルを犯人から守ろうとするが、彼女を挑発するかのように殺人事件は繰り返されていき…



 『青春スラッシャーホラー』ブームの火付け役となった人気サスペンスホラーである、「スクリーム」シリーズの第4弾に当たる作品。

 なんちゃって続編ではなくウェス・クレイヴン監督の手がける完全にストーリーの繋がったシリーズ最新作です。

 前作からおよそ10年ぶりの新作という事なので『前作までのテイストとかキチンと再現できるのか?』と不安を抱きつつ観てみたのですが…いやはや、やっぱりこの監督の作品は素直に面白い!!
 ホントに安定感があって、本作も非常に安心してみれる内容になっておりました。

 前作からストーリーもビックリするほどキチっと繋がっており、時系列的にも『前作からの10年後』という設定で、前作の生き残り(保安官やその嫁の記者)の人たちもキチンと登場し、その辺りでファンを裏切らない作りになっているのは『分かってるなぁ…』という感じ。

 ネクストジェネレーションという邦題は、本作ではシドニーの姪』がヒロイン的な扱いになっている事もあるのでしょうが、むしろ時代の移り変わりに伴う『新世代のホラー映画のルール』に合わせて本作を作っているという事を暗喩している印象ですね。
 その『新ルール』がまた的を射ており、ホラーファンであれば思わずニヤリとしてしまうような作りなのは流石です。

 最近のホラーの『リメイクブーム』をネタにして、殺人犯によって「スクリーム」(劇中では「スタブ」というタイトル)の『1作目のリメイクを意識した劇場型殺人』が犯人によって繰り返されていくという設定には思わず唸らされてしまいましたよ。

 ストーリーもあいかわらず良く出来ており、割と最後まで真犯人が読めないようなサスペンス的な作りも面白いですし、作品のテンポが非常に良くて中だるみが全くしないスピーディな作りも見事です。

 他にも小ネタの仕込みなんかが非常に上手くて、『最近のホラーではゲイが必ず生き残る』(昔は童貞と処女が生き残ってた)というルールとか『警官はブルース・ウィリス以外は殺され役』という『ホラーの法則』の説明がいちいち入るのも笑わせてくれます。

 全体的に非常に完成度の高い作品なのですが、難点を挙げるとすれば『今までのシリーズを観てないと楽しめない要素が多い事』ですかねぇ?

 シドニーとゲイル(記者)と保安官の関係なんてシリーズを観てないとサッパリでしょうし、この辺のキャラクターへの思い入れが無いと中盤~終盤にかけては盛り上がりに欠ける部分があるかも?

 あと犯人が『1作目のリメイク』を標榜している辺りから、特に1作目を見てない人には終盤の展開は分かり辛いかなぁ?
 (逆に知ってたら、ちょっと展開が読めてしまうという欠点もあるんですが…)

 ちょっと『シリーズのファン向け』的な要素が多いので、ファンとしては文句なしに楽しかったのですが、その部分が足かせになっていると言えるかもしれませんね…


 総評としましては、シリーズを観てないと分かり辛い部分があるという点を差し引いても、普通に『非常に良く出来たサスペンスホラー映画』だと思います。

 シリーズのファンであれば間違いなく観ておくべきタイトルですし、そうでなくとも『青春スラッシャームービー』といった系列の映画が好きならばチェックしておいて損は無い一本でしょう。

 この手のシリーズは新作を出す毎にグテグテになっていくものが多いですが、10年ぶりとはいえ安定した作りと完成度で新作を供給してくれる辺り、『やっぱウェス・クレイヴン監督は凄いなぁ…』と感心することしきりでしたよ。