NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「リビングデッド:ザ・ビギニング」(35点/ゾンビ版ラブストーリー(?))

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■■■「リビングデッド:ザ・ビギニング」■■■
(ゾンビ版ラブストーリー(?)/35点)

 深夜にドライブを楽しんでいたジョンとジェニファーは、近道して森の中の道路を走っていた際に車のタイヤがバーストしてしまい、人里離れた森の奥で立ち往生してしまう。

 仕方が無く車中で朝が来るのを待つ彼らだったが、ふと見ると道路脇に先ほどまでは無かった筈の人間の死体らしきものが転がっているのを発見。
 死体を確認するために車から降りたジョンは、突如として闇の中から現れた何者かに襲われて首筋に噛み傷を負ってしまう。

 恐怖に捕らわれた彼らは森の中を徒歩で脱出し、近くの町の無人のロッジに上がりこんで一晩を明かすが、翌朝目覚めたジョンは自分の心臓が『鼓動していない』事に気付き慄然とするのだった…


 とある偶然から、ゾンビに噛まれてしまったカップルがゾンビ化していくプロセスを描いた、ホラー映画…というかゾンビ版悲恋ラブストーリーみたいなお話。

 恋人がゾンビに噛まれて徐々にゾンビ化していく…というと、バタリアン・リターンズ」を連想しますが、まあアレの『男が噛まれた版』みたいなお話といえば、ホラーファンには分かり易いかも?

 バタリアン・リターンズ」は、ゾンビ化の進行によって失われていく理性を保つ為に『痛み』が有効だという事から、お姉ちゃんが全身に針金やらネジやらをピアスのように刺しまくるというフェティッシュな設定が話題を呼んだ秀作でしたが、こちらは正直言ってそんな話題性もインパクトも無く…

 そもそも『ホラー映画と呼んで良いのか?』と思うぐらいに、恐怖シーンも少なく、淡々と主人公達がゾンビ化していく苦悩と焦燥感を描いただけの、悪く言ってしまえば何とも地味な映画です。

 主人公が徐々に理性を失ってゾンビ化していく様子は確かに物悲しいものがありますが、物語のきっかけとなる最初の30分ぐらい以降は話に特に大きな動きも無くて、ホントに淡々と話が進んでいくだけなので
ハッキリ言ってちょっと退屈。

 ぶっちゃけた話、主人公が感染したのがゾンビ化じゃなくて普通の伝染病だったとしても、普通にラブストーリーとして何の問題も無く成立してしまうようなお話なので、ホラー的な要素を描かないならば『ゾンビ化』というシチュエーションを使う必要性は全く無かったのでは?と思わずには居られません…

 それこそ、バタリアン・リターンズ」のような、ホラーならではのシチュエーションなり怖さなりが欲しかった所でしょう。

 ストーリーも、ハッキリ言って45分ぐらい観た時点でラストまでの展開が容易に予想できてしまい、おおよそ予想通りに『救いの無い結末』へ向かってまっしぐらに進むもんだから、気分的にも落ち込んできて『色んな意味で辛い映画』でした。

 総評としましては、なんと言いますか『コレはホラーじゃないよな…?』って言うのが正直な所。

 淡々とした悲恋もののラブストーリーを見せられてるような感じで、そもそもラブストーリーなんか殆ど見ない私にとっては、ハッキリ言って途中からは苦痛でしか無かったです。

 せめて、もうちょっと盛り上がるシーンとか意表をつく展開でもあればなぁ…