NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「デッド・オア・アライブ」(60点/モンスター:結構オススメ)

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■■■「デッド・オア・アライブ」■■■
(60点/モンスター:結構オススメ)


 ゾンビウイルスによって文明が崩壊した世界。
 出会った人々と協力しながら食料や物資を集めつつ世界を放浪するジョンだったが、その人々も次々と命を落としていくなかで孤独な旅を続けていた。


 そんなある日、自分と同じようにこの世界で生き残ったニックと出会った彼は、二人で協力して旅を続けることとなる。


 ニックから旅の目的地を聞かれた彼は、彼が以前に助けた男が持っていた手帳に『安全と思われる場所』の座標がメモされて居た事から、その場所へと向かっている事を告げるが…

 


 ゾンビウイルスによって文明が崩壊した世界で、最後び希望を求めて旅と続ける男たちの姿を描いた、ドイツ製のロードムービー系のモンスターホラー映画。


 ゾンビによって崩壊した世界を舞台にした、いわゆるポストアポカリプスもののロードムービーなのですが、なんというか『恐ろしい程にシビアでドライで淡々としたゾンビ映画』って感じの作品です。


 お話としては、『ゾンビのパンデミックで文明が崩壊した世界で出会った二人の男たちが、ただただ淡々とその世界を旅してく』という、ホントにただそれだけの映画という感じの作品。


 旅をする先々でゾンビと戦ったり、無法者の集団と出会ったり、生存者が襲われている現場に遭遇したりしていく訳ですが、そういったシチュエーションでの主人公たちの選択が、特にヒロイックな訳でも無くドラマチックでもなくひたすらリアルでシビアに淡々と描かれていきます。


 ロードムービーらしく、主人公たちの友情やら人間ドラマ的な要素も多少は描かれているのですが、その人間関係もアクマで非常にドライ。


 出会いや別れにもウェットな展開やら演出やらは殆ど無くて、男たちの旅がとにかく淡々とシビアに物語が描かれていく様子が、ある意味でハードボイルドな世界観として感じられて面白いです。


 『バディもの』的な設定のロードムービーでありながら、必要以上に人間ドラマに注力せずとことんドライな印象に振り切った作風も、ゾンビ映画としてはあんまり見かけないようなテイストで予想外に楽しませてくれます。


 ただリアルであるが故に、全体的に山場となるような要素とかはあんまり無く、人間ドラマとしても非常に淡々としているために盛り上がりに欠ける印象があるのは好みの別れる部分かなぁ…


 定期的にゾンビの襲撃シーン等のそれなりの見せ場もあり、退屈しないような作りにはなっているのですが、山場と呼べるようなシーンがあまりなくメリハリに欠けるせいのでちょっと冗長に感じる部分があったのは気になるところかも?


 ただ、淡々として割と救いの無い感じのお話ではありながらも、最後の『未来に希望を繋ぐ』的な落としどころも上手いですし、全体的には非常に良く出来た作品でしたよ。

 


 総評としましては、基本的に地味で淡々としているものの『ドライで独特な世界観の良く出来たゾンビものロードムービーという感じの映画ですね。


 派手さや華美さは無いものの、刺さる人には非常に刺さる内容だと思いますので、淡々としたシビアな世界観のゾンビ映画が観てみたい人には割とオススメできる作品ではないかと…


 ドイツ製のゾンビ映画ですがそこまでグロい内容でもない(ドイツのゾンビ映画はだいたいグロい)ので、世界観とか雰囲気とかが気になるようであればチェックしておいて損の無い一本だと思いますよ。