NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ゾンビスクール!」(40点/モンスター)

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■■■「ゾンビスクール!」■■■
(40点/モンスター)

 アメリカのフォート・チキンという田舎町。
 小説家を目指すも芽の出ないクリントは、母親のコネで臨時講師として地元の小学校で働く事となる。

 学校で幼馴染のルーシーに出会った彼は、変人教師や生意気な生徒たちに振り回されながらも出勤の初日の授業を開始するが、生徒の一人のシェリーが唐突に暴れだして他の生徒に噛みついて大怪我をさせるという事件が発生。

 クリントは噛まれた生徒を保健室へと連れていくか、彼女は給食に食べたゾンビウィルスに汚染されたチキンナゲットの影響でゾンビ化しており、彼女に噛まれた他の生徒たちも次々とゾンビ化していき…



 汚染されたチキンナゲットを食べたせいで生徒たちがゾンビ化した小学校から教師たちが脱出を目指すという、コメディ風味のサバイバル系モンスターホラー映画。

 イライジャ・ウッド主演で少し前に流行ったコメディ風ゾンビ映画の新作といった感じですが、正直言って微妙なコメディホラーって感じの内容ですね。

 『ゾンビであるからには子供相手だろうと容赦しない』って一発ネタがやりたかったのは分かりますしコンセプトとしては面白いんですけど、なんというかそれ以外の部分が狙いすぎてて痛々しい感じなのが辛いです。

 コメディタッチを強調するためにか、主人公以外の教師たちがやたらと変人ぞろいで『脳筋バカ』だったり『オネエ』だったり『超フェミニストのオバサン』だったりするんですけど、こいつらのキャラがウザいばっかりでたいして面白くないので観ていて非常にイライラするんですよ…

 お話としては『汚染された給食のせいでゾンビ化した生徒たちによって学校に閉じ込められた教師が脱出を目指すという』って感じの内容なのですが、子供ゾンビの集団に先生が無邪気に襲われるってシチュエーションはなかなかインパクトがあって面白いです。

 …が、ネタ的にそれ以上でも以下でも無い感じなのに加えて、思った以上に子供ゾンビと教師が戦うシーンが少なくて盛り上がりに欠けるのは困りもの。

 ゾンビと戦っていないシーンは、件の矢鱈と濃いキャラの教師の面々のあんまり面白くない漫才を延々と見せられている感じで、緊張感が無くテンポも悪いため正直言ってダレてしまいます。
 (唐突に中の人つながりで「ロード・オブ・ザ・リング」のネタをやってみたりとかギャグのセンスもいま一つ。)

 言葉通りに『モンスター生徒』と化した子供ゾンビを教師が大人げなく叩きのめすみたいなブラックなネタを期待していたのに、そういう要素が殆ど描かれてないのはどうにも物足りないです。

 またイラつくキャラの変人教師たちも意外と死なないので、そっちの方でも盛り上がりに欠ける感じで、ちょっとストレスが溜まるんですよねぇ。
 この手のイラつくキャラどもは、なるべく残虐な殺され方をして視聴者をスッキリさせてくれるための存在なんじゃないのかと…

 終盤の展開はそこそこ熱いもののラストもちょっと物足りない終わり方ですし、色んな意味で殆どカタルシスが感じられない内容なのが残念な映画でしたよ。
 (もしかしたら『視聴者の予想を裏切る』って方向性を狙って作ってるのかもしれませんが、それが全く面白さに繋がってないのであれば意味が無いだろうと…)


 総評としましては、『いま一つ盛り上がりに欠けてスッキリし無い感じのコメディ風ホラー映画』って感じの作品ですね。

 狙ってる方向性は分かるものの、なんというか滑っているというか外している印象が強くて、全体的にもうちょっとどうにかならんかったものかと…

 まあネタ映画としてはアリだとは思うので、そういう方面で気になるならばチェックしておいても良いって程度の一本かもしれません。