NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ウィラード」(65点/生物パニック・オススメ)

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■■■「ウィラード」■■■
(65点/生物パニック・オススメ)

 体の不自由な母親と2人で暮らす冴えない成年のウィラードは、罠にかかったネズミを助けた事から愛着を抱くようになり、地下室でこっそりと大量のネズミを飼育するようになる。

 ネズミ達の中で最も頭の良い白いネズミをソクラテス、黒いネズミをベンと名付けた彼は、ネズミに訓練を施すうちに、自分の父親から会社を奪い今も自分を苛め続ける会社の社長であるマーティンに、ネズミ達を使って復讐する事を思いつくが…


 1971年に公開されたネズミの大群による襲撃の恐怖を描いた同名の生物パニック映画のリメイク作品。

 ストーリーの流れは旧作も本作も概ね同じで、『主人公の青年が訓練した大量のネズミを使って自分を苛めた相手に復讐する』といった感じの話なんですが、旧作と全く同じような話かと思いきや…後半にかけては作品テイストにかなり大幅なアレンジが成されています。

 あと、オリジナルでは確かウィラードはもうちょっと若かったと記憶しているのですが、こちらでは結構なオッサンになっており病的な感じの主人公の怪演ぶりがストーリーの不気味さに拍車をかけてて良い感じ。

 特に本作は、生物パニック映画と言うよりも相当サスペンス要素が強めの内容で、ネズミの大群に人間が襲われるシーンよりも、主人公のウィラードが精神的に追い詰められて、どんどん偏執的になっていくシーンの方が相当怖く、ソクラテスを偏愛するウィラードと物言わぬ巨大ネズミ・ベンの不気味な存在感が非常に良いテイストをかもし出しています。

 また、旧作の続編である「ベン」の主題歌があるシーンで挿入される等、旧作のファンを思わずニヤリとさせるような憎い演出もナイス。

 総評としましては、生物パニック映画のテイストを上手く取り入れた、非常に質の高いサスペンス映画と言って良いでしょう。

 90分という尺ながらも、緊張感のある演出とストーリーのお陰で物凄くみっちりと詰まった充足感があり、実際の尺よりも相当長く感じるような映画でした。
 サスペンス系の映画が好きならば、ごく普通に観ておいて損は無い作品だと思います。
 (ネズミが死ぬほど嫌いで、観るのも嫌だとかって言うなら話は別ですが…)

 ちなみに、旧作の「ウィラード」「ベン」という続編が製作されていたりするのですが、今作は流石にあのオチでは続編は製作されないだろうなぁ…