NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「GEAR ギア」(20点/サスペンス)

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■■■「GEAR ギア」■■■
(20点/サスペンス)

 ギャングの組織員であるトルーマンは、ある日、敵対する麻薬組織との取引の最中に、ふとした弾みから敵と仲間がお互いに銃を向け合った『一触即発』の状態となる。
 しかし、銃撃戦の火蓋が切られようかというその瞬間、謎の覆面男がマシンガンを乱射しながら現場に乱入。
 男の乱入をきっかけに、現場は敵味方が入り乱れる激しい銃撃戦となり、最終的にはトルーマンと覆面男だけが立っていた。

 トルーマンは激しい格闘の末に覆面男をなんとか倒すが、自分も重傷を負い一ヶ月間の療養を余儀なくされる。

 そして一ヵ月後、再び現場に戻った彼は復帰後早々に組織のボスの甥が誘拐されたという話を聞かされ、その救出の任に就く事となるが…
 彼が『甥の誘拐現場』を撮影したというビデオテープに見つけたものは、一ヶ月前に彼らを襲撃した『謎の覆面男』の姿だった…


 一人の男が、正体不明の殺人鬼から訳も分からないままに付け狙われるという、いわゆるサイコサスペンス映画。

 このところSAW3公開目前という事で、「SAW」のパクリっぽい感じのパッケージのタイトルを試しに借りまくってみてるのですが…
 なんというか、この手のパッケージの作品は高確率で微妙なタイトルが多くて、ちょっとメゲそうです。

 本作もご多分に漏れず超絶微妙な感じの作品で…

 とにかく『分かり辛い映画』なんですが、『トリックが複雑で分かり辛い』とかじゃなくて、単に『説明不足で分かり辛い』という印象の強い映画です。

 まず、このお話で、主人公はギャングの構成員か何かみたいなのですが、その事に関する説明が本編で殆ど無いので、主人公の素性が良く分からない。

 更に、主人公の所属する組織とその目的もロクに説明が無く、何をやってる人達なのかイマイチはっきりしない。

 『情報屋』っぽいキャラや、『他の組織の構成員』っぽい脇役キャラも出で来るんだけど、こういったサブキャラの素性も一切説明が無い為、何者なのか良く分からない。

 お陰で、主人公達が『何をしようとしてるのか』が非常に分かりづらく、『サスペンスの謎解き』以外の部分でつまづいてしまって、どうにも素直にお話を楽しむ事が出来ません。

 『正体不明の殺人鬼』に関する情報等の『謎解きの手がかり』を小出しにするのは脚本や演出の流れと分かるのですが、お話の『基本設定』に関する情報まで小出しにされても単純にストーリーが分かり難くなってイライラするだで、そんな演出は全く面白くもなんともありませんよ…

 また、本編の尺が2時間強ぐらいあるものの、無意味にダラダラと話を進めているようなシーンが多く、ハッキリ言って非常に冗長。
 話の分かり辛さも相まって、あまりの退屈さに途中で3回ぐらい寝てしまいましたよ…

 オチに関しても『そりゃ無いだろ』って感じの酷いオチで…

 余りにも強烈なネタバレになってしまうので、一応隠し文字で書くものの、個人的には『先に読んでしまっても構わないかも?』と思うのですが…

******以下ネタバレ開始           ******
******読む場合は、文字を反転表示して下さい。******
 何より酷いと感じたのは『正体不明の殺人鬼』が、最期まで『正体不明のまま』な事。
 ラストのオチも『だから何なの?』って感じの終わり方で、結局、犯人の動機もイマイチ良く分かりません。
 (※あ、一応犯人は出て来るんですが『結局、お前は誰なのよ!?』って感じなんですよ。その唐突さたるや「セブン」の犯人の唐突っぷりの10倍ぐらい?)
 っていうか、序盤で『何か深い謎がありそう』な引っ張り方をしてて、その実は『何の謎も無い』っていうオチなんですよね…
******ネタバレ終了             ******
******ネタバレ終了             ******

 ぶっちゃけ、この監督が何が言いたいのか、また『何が面白いと思ってこの映画を作った』のか、私にはサッパリ理解不能でしたよ…

 総評としましては、サスペンス映画としてはあまりにもお粗末…というか『サスペンスとして成立してないだろ?』って言うような、正直言ってちょっと酷い出来のお話です。

 まあ『演出やカメラワーク等には若干観るべきところもあるかな?』とは思うのですが、本編がツマんなすぎるので、それを見るために観る程の価値は無いかな…

 この手の映画が好きで気になってたとしても、基本的にフツーにスルーの方向で問題ない作品だと思いますよ。