NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「Hotel ホテル」(35点/サスペンス)

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■■■「Hotel ホテル」■■■
(35点/サスペンス)

 ドイツの奥深い森の中に佇む「ヴァルトハウス・ホテル」という、古風なホテルに住み込みで働く事となった女性・イレーネは、鬱蒼(うっそう)と茂る深い森や、ホテルの古めかしい厳粛な雰囲気に不気味なものを感じていた。

 そんなある日、彼女は自分の部屋で「イーファ」という名前の入ったメガネを発見。
 ホテルの支配人にその事を聞くと、それは『彼女の先任でこのホテルの従業員だった女性のもの』だと判明するが、従業員たちにその先任の女性の事を聞くと、誰もが妙によそよそしく口を閉ざしてしまう。

 不審に思い先任の女性の事を調べた彼女は、そのイーファという女性が『ある日突然、森の奥へと姿を消して失踪した事』や、この森が『森の娘』と呼ばれた魔女の伝説が残る場所だと言う事を知るのだった…


 ドイツ/オーストリアにて製作された、鬱蒼(うっそう)とした森の奥にあるホテルで起こる奇妙な物語を題材とした、ファンタジー風サスペンス映画。

 舞台の『ドイツの深い森の奥にある古びたホテル』というだけで、いかにも神秘的なテイストが漂っており、森にまつわる『魔女の伝説』とかも不気味さを加えてて掴みの部分は非常に良い感じ。

 映像表現も、『いかにもダークファンタジーといった風の詩情的な表現が結構良く出来ており、全体に漂う雰囲気の良さ『微妙な不安感』をあおるような間の取り方も上手いので『コレは結構面白いんじゃ!?』と期待して観てたんですが…

 観終わってみると、余りにもあっけない…というか、この映画、『ストーリーがあまりにも無い』んですよ。

 『無い』といっても『内容が薄い』とか『短絡的』とかってのじゃなくて、ホントに『話そのものが無い』

 サスペンス映画というと作品によって構成に違いこそあれ、基本的には『起・承・転・結』という風に話が進んでいくものなんですが…
 この映画は、その流れで説明すると『起』でイキナリ話が終わっちゃってるみたいな映画なんですね。

 いやまあ、この手の中身の無い映画って、ファンタジー映画等の映像テイストのみを追求する『アーティスト肌の映画』では結構あるタイプの表現ではあるのですが…

 予告とかパッケージを観た際に、てっきり『普通のサスペンス映画』を期待して借りて、ラストの直前まで『サスペンス映画』と信じて観てたもんだから、余りにも唐突で尻切れトンボな終わり方にちょっとビックリしてしまいましたよ。

 ぶっちゃけ、コレを普通のサスペンス映画っぽい宣伝で店頭に並べちゃうのは流石にどうなのかと…


 総評としましては、前述の通りのアレな内容ですのでサスペンス映画として観ると、『面白い』とか『面白くない』とか以前『えっ、何ソレ!?』みたいな内容の映画です。

 ただし、映像表現や雰囲気の良さはナカナカの物で、ファンタジー映画と認識して観る分にはそこまで悪くはない作品だとは思いますので、ソレを理解した上で観るならば、『まあ、お好みで…』といった感じの作品でしょう。