■■■「ホステル」■■■
(45点/スラッシャーホラー)
刺激を求めてヨーロッパを旅する米国人バックパッカーのジョシュらの3人は、旅行中に知り合ったヨーロッパの若者から『スロバキアに、アメリカ人が行けば女とヤリ放題のホステルがある』というウワサを聞かされる。
ウワサに興味を持った彼らは、若者に聞かされたスロバキアの某所へと赴き、そこでウワサどおりに女をひっかける事に成功した彼等は夢のような一夜を過ごすが、翌朝目を覚ますと仲間の一人のオリーが居なくなっている事に気付く。
ホテルマンに『彼は先に一人でチェックアウトした』との説明を受け、不審に感じつつももう一晩をホステルで過ごすことにしたジョシュだったが、その夜に酒を飲んで意識を失い目を覚ますと、自分が薄暗い廃工場の一室で椅子に縛り付けられて身動きの取れない状況におかれている事に気付くのだった…
アメリカで割と有名な『バックパッカーの都市伝説』を題材としたスラッシャーホラー映画。
アメリカでは『欧州を旅するバックパッカー』にまつわる、2つの有名な都市伝説があって…
一つは『欧州のある地方には、バックパッカーがただで女とヤリ放題のホステルがある』というものと、もう一つは『バックパッカーが欧州の寂れたホステルに泊まると、寝ている間に監禁されて拷問された上に殺されてしまう』というもので、その2つの都市伝説に着想を得た…というより、まさにその2つを『そのまんまくっつけただけ』みたいなお話です。
「キャビンフィーバー」で注目を集めた新進気鋭のイーライ・ロスが監督し、ホラーマニアで有名なQ・タランティーノが製作に関わっているとか、アメリカで公開された際に『あまりの残虐さに、上映の途中で嘔吐して退場する観客が出た』等との逸話もあり、割と鳴り物入りのゴアホラーという事で期待してたんですが…
うーん……
やたらと『鳴り物入りの前評判』の割には全然たいした事の無い、ごく普通のスラッシャーホラー映画でした。
一応、レンタルは『18禁指定』になってるようですが、ぶっちゃけ『えっ、コレが18禁?』って程度のレベル。
とにかく『ストーリーが動き出すまで』がやたらと長くて退屈で、特に序盤の30分ぐらいは『主人公達がひたすらナンパをしているシーン』が続くため、ハッキリ言って思いっきりダレます。
まあそれでも、ストーリーが動き出してからは『理不尽な暴力と恐怖』といった展開の連続で割と面白いんですが、話題になっていた『残虐シーン』とかは最近のホラー映画としてもごく普通のレベル。
『痛そう』なレベルでは、まだ『「蝋人形の館」の方が上かも?』ってぐらいで、こんなもんに『18禁指定』をかけるならば、「マスターズ・オブ・ホラー」の「ぼっけえきょうてえ」とかは、『身分証明書提示の上に同意書にサインを貰う』ぐらいの手続きをしないと、貸してはイケナイ作品だと思います。
本作を劇場で上映した際に、『気分が悪くなって上映から46分以内に退場した場合は全額返金』という「嘔吐バックキャンペーン」というアホな企画をやってましたが、そりゃこの映画を『46分以内に退場』する人は居ないでしょう…
なんせ、マトモに事件が起こってホラーらしくなるのは『本編開始から50分ぐらい経った後』ですからねぇ。
総評としましては、まあ前評判に対する『期待外れ度』は高かったとはいえ、純粋にスラッシャーホラーとして観た場合は『まずは及第点』と言った評価は与えて良いレベルの作品だとは思います。
若干の内容の薄さは気になる所ですが、『序盤のダルさ』を除けば割と良く出来てるとは思うので、ホラー好きならば観ておいて損は無い一本と言えるでしょう。
ぶっちゃけ、序盤は『ダルければ早送りして観ちゃっても良い』と思いますしね…
とまれ、変な前評判さえ無ければ『ごく普通に楽しめるレベルの映画』だと思うので、話題集めの為とは言え『変なキャンペーンを打ちすぎたのが裏目に出たかなぁ?』って感じの作品でした。