■■■「クイック&アンデッド~未来世紀ニューウエスト~」■■■
(30点/西部劇風ゾンビ映画)
近未来、突然発生したゾンビウィルスの蔓延により人類の7割が死亡し、アメリカ合衆国では『西部開拓史』の時代まで文明が後退。
政府はゾンビを倒して治安を回復するためにゾンビに賞金をかけ、特に被害が大きかったアメリカ西部では、賞金目当てのハンター達が集まり『ゾンビ狩り』を行うという、まるで『西部劇』のような光景が繰り広げられていた。
賞金稼ぎのリンは、ある日のゾンビ狩りの最中に同業者であるブライスに撃たれて賞金を奪われるが、危うい所で一命を取り留める。
情報屋のハンスからブライス一味が隣町に居る大量のゾンビを狙って移動したという情報を入手したリンは、賞金を取り戻しブライスへと復讐する為に彼らの後を追うが…
『西部劇っぽい世界』で『賞金稼ぎのガンマンがゾンビと闘う』という設定の、まさに西部劇風ゾンビ映画。
「クイック&アンデッド」なんてタイトルを聞くと、以前にサム・ライミが撮った「クイック&デッド」という西部劇を思い出しますが、別に特に本作が「クイック&デッド」のパロディになっているという訳でもありません。
また「クイック&~」というタイトルが付いてる割には、『クイックドロウ(銃の早撃ち)』が主題となってる訳でもありません。
まあ、このタイトルなら確かに『西部劇っぽい』ってのは伝わりますけどね。
内容的には、賞金稼ぎ同士が諍いを起こしながらゾンビと闘うという、まさに『西部劇っぽいゾンビ映画』そのままなんですが、ホントに『それ以上でもそれ以下でも無い』といった感じで、設定さえ認識してしまえばコレと言った驚きのない映画です。
何というか『スゴ腕のガンマンがゾンビ相手に銃撃戦すれば、そりゃまあ勝てるよな…』って感じで、戦闘シーンにいま一つ緊張感がない。
お話全体のテンポもあまり良く悪くて、特に中盤が見せ場に乏しくて非常に退屈。
なんか登場人物が少ないせいか、どうにも冗長で盛り上がりに欠けるシーンが多いんですよね…
あまりにもダルい展開が続くので、思わず途中で一回寝てしまいましたよ。
他にも『主人公がゾンビウィルスに対する抗体を持っている』みたいなアイデアや、ライバルの賞金稼ぎが『ゾンビウィルスを街に撒き散らす事でゾンビを大量生産して、効率よく賞金を稼ぐ事を画策している』みたいな、ゾンビ映画らしい設定が出てくるんですが、ソレに関しても、どうにも設定を活かしきれず消化不良でオチも妙に投げっぱなしな感じ…
『設定さえ上手く昇華させる事が出来てれば、ソレなりに面白い作品になったかも?』と思わなくも無いんですが、どの要素も中途半端で『アイデア倒れの映画』になってしまっている印象をうけますねぇ。
総評としましては、どうにも全体的に見所に欠ける『微妙でパッとしない映画』という感じの作品です。
アイデアそのものは悪く無いので、もうちょっとノリやテンポが良ければ…といった感じでしたが、正直言ってあまり観ておく程の価値は無い映画かも?
OPやエンドロールのデザインはカッコ良かったけど、それだけかなぁ?