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(55点/心霊サスペンス)
建築家のマイケルは、ロンドンにある旧ホテルの改装を依頼されるが、そのホテルはオーナーによって封印された、奇妙な『開かずの間』のあるという、不思議なホテルだった。
そして、仕事の初日の帰りに彼は交通事故で老婆を殺してしまうが、その直後に『霊の姿が見える』という不思議な力に目覚め、老婆の霊の導きによって『開かずの間』に隠された驚くべき真実を知る事になる。
「エイリアンVSプレデター」や「バイオハザード」で、すっかりメジャー監督の仲間入りしてしまった感のある、ポール・W・S・アンダーソン監督の心霊サスペンス映画。
『こんなタイトル聞いた事無いんだけど、いつ撮ってたんだっけ?』
…と思いきや、随分と前にTV映画用に作られた作品のようです。
2000年の作品なので時期的には「モータルコンバット」を撮った後ぐらいでしょうか?
そんなに前の映画だと思ってなかったので、当たり前のように貿易センタービルの映像が出てきた時には、ちょっとビックリしました。
『霊の姿が見える主人公が活躍するサスペンス映画』って言うと、なんとなく「シッスクセンス」っぽいノリを想像しますが、むしろ霊が見えるのはオマケ要素的で、サスペンス映画のノリが強いです。
ストーリー的には、『連続殺人犯に殺された子供たちの霊魂を救済するために、主人公が殺人犯をつきとめて次の殺人を阻止する為に頑張る』といった感じの内容なのですが…
登場する霊たちが全員妙に『死んでる感』が無くって、特に恨みつらみを語るわけでもなく、しごく普通の人間的に主人公に接する(画面で観ても、ホントに普通の人間と見分けがつかない)のですが、実は主人公以外には全く霊が見えておらず、主人公が一人で喋ってる変な人扱いされたりするというコミカルなシーン等が多いです。
タイトルやパッケージを観ると、ちょっとホラー系の印象を受けますが、『心霊映画』と言いつつも、怖いと言うよりはむしろ笑える感じですね。
お話のテンポも悪くなく、特に序盤の謎解きプロットは面白いのですが、後半の殺人犯探しの部分はちょっとありがちで強引な感じかなぁ…?
ただ、登場する主人公に協力する『幽霊たち』のキャラクターが非常に個性的でキャラが立っており、彼らと主人公のやりとりを見てるだけでも十分に楽しめるのは良い所。
っていうか、サスペンスよりもそういった部分の方が面白かったです。
総評としましては、サスペンスとしてはちょっと微妙かな?と思う部分もありますが、コミカルな心霊ドラマ的なノリが嫌いじゃなければ、まあまあオススメ出来る作品でしょう。
もともとがTV映画だけあって、TVドラマ的なノリで肩肘貼らずに観れば普通に楽しめる作品だと思います。
そういうのが好きならばレンタルしてみても良いタイトルだと思いますが、むしろTVで放映されたならば積極的に観ておく価値がある映画と言えるかも?
ちなみに、ちょっとだけネタバレになりますが…
私には最後の廃墟のシーンは何が言いたいのか良く意味が分からなかったのですが、アレは何の意味があったのでしょうか?
これから主人公が歩むであろう苦難への暗示?にしては、妙に力が入りすぎてる気がするし…
でも、確かにこの頃のポール・アンダーソン監督は「イベントホライズン」とかで心象世界ネタに凝ってた頃だったしなぁ…?