■■■「メモリー ~殺戮のビジョン~」■■■
(55点/サスペンス)
医薬品メーカーでアルツハイマー症の研究を行うテイラーは、ブラジルで脳に奇妙な腫瘍のある患者を検診した際に、患者がアマゾンの奥地で得たと思われる『奇妙な粉末』を傷口から誤って摂取してしまう。
それ以来、唐突に謎の幻覚を幻視するようになった彼は、それが自分が生まれる前に行われた連続殺人鬼による殺人の記憶だと気付き、その真相を調査しはじめるが、やがて『その連続殺人が今なお行われ続けているのでは無いか?』という疑いを抱くようになっていく…
ふとしたきっかけから過去の記憶を観る事が出来るようになった主人公が、連続殺人鬼の正体に迫っていくというサスペンススリラー映画。
パッケージだけ観ると、あたかもデニス・ホッパーが主演のように描かれていますが、割と重要なキャラながらも位置付け的には脇役です。
ネタとしては『過去の記憶が見える』という追体験ものっぽい設定で、ちょっとオカルト風味の入ったサスペンス映画ですね。
ストーリーとしては割と普通に面白くて、サスペンスの謎解きもサクサク進むのでなかなか気持ちの良い作品なのですが、いかんせん主人公が追いかけているのが『過去に起こった事件』なので、いま一つリアルタイムでの緊迫感が無くて緊張感に欠けるのは惜しい所。
特に中盤での見所が弱くて、どうにも盛り上がりに欠けてしまうため、やや冗長な感じになってしまっています。
また、主人公の見ることが出来る『過去の記憶』に設けられたある条件のお陰で、犯人が割と容易に想像できてしまうのも、ちょっと辛い部分かな?
お話そのものはそこそこ良く出来ていたと思うのですが、超能力という大仰な題材を使っている割には物語のスケールが妙に小さくて、何となく看板負けしちゃってる感じですね。
ぶっちゃけ『超能力って設定が無くても何とかなったんじゃないか?』って感じのお話なので、この辺の題材をもうちょっと上手く使う事が出来れば、もっと面白いお話になったのでは無いかと思うと、ちょっと惜しい作品でした。
総評としましては、完成度としては割と『可も不可も無いよう』な印象のサスペンス映画ですね。
全体的にちょっと小ぢんまりしすぎな気もしますが、まあ普通に楽しめるレベルの作品ではあると思うので、気になる人は見ておいても後悔はしないでしょう。
でも本格的なオカルト風のノリを期待してると、ちょっと肩透かしを食らうかもしれませんので、その辺は要注意かな?