■■■「今日も僕は殺される」■■■
(30点/サスペンス)
大学のアイスホッケー部の花形選手であるイアンは、ある日のアイスホッケーの試合のあと恋人のジェニーを家に送った後に自宅へと帰る途中で、線路の側で倒れている人物を発見する。
彼は救急車を呼ぼうとするが、その直後に倒れていた筈の得体の知れない人物に襲い掛かられ、電車に轢き殺されてしまう。
しかしその瞬間に彼はオフィスの自分の席でうたた寝しており、今までの『ホッケーをやっていた自分』とはいた自分とは『全く別の自分』になっている事に気づくが…
果たして今まで彼が観ていた自分は、本当に夢だったのだろうか?
特撮監督のスタン・ウィンストンが生前に最後に撮影に関わったという、ファンタジー風味のサスペンス映画。
サスペンスかと思いきや、実はモンスターホラー…かと思いきや、ホントはファンタジー映画でしたという、何がなにやら良く分からない作品です。
一言で言うと『何じゃコリャーーーッ???』って感じの映画ですな。
いや、ホントに本作を観た人間の8割ぐらいは、観終わった後に『?』マークを頭の上に3つぐらいくっ付けて劇場から出てくるんじゃ無いかと思うような作品ですよ…
ネタバレ無しで本作の感想を書く事は非常に困難であるため、開き直ってネタバレ全開で感想を書かせていただきますと…
最初は、いわゆる『パラレルワールド物のサスペンス映画かな?』と思って観てたのですが、途中で変な怪物みたいのが登場して得体の知れないオッサンに『お前は怪物に狙われてる』みたいな事を言われだした辺りから、どうにも雲行きが怪しい感じになります。
そのうち『実は主人公も人間じゃなかった』事が判明…まあ、この辺まではマダ付いていけていたのですが、しまいには主人公がライバルっぽい悪役のお姉ちゃんと『種族の存亡をかけたバトル』みたいなのを開始した時点で、もはや私の固い頭では理解不能でしたよ…
いやいや、『中二病設定のアニメ作品』じゃ無いんだから、なんなんですかこの唐突すぎる展開は!?
っていうかこの作品ってレンタルビデオ屋で、ごく普通に『サスペンス映画』っぽい扱いでレンタルされてたし、パッケージのどこを観てもこんな荒唐無稽なSFファンタジーっぽい作品って事は読み取れなかったのですが…
うっかり、普通の人が『「バタフライエフェクト」みたいなサスペンス映画かな?』とか、勘違いして借りてしまったらどうするんッスか!?
きっと映画を観てる時間の8割ぐらいは開いた口が塞がらなくなって、下手すると観終わった後も3日ぐらいは開いた口が塞がらないままになって、タフグリップででも口を塞いどかなきゃならなくなりますよ。
私も、最初から『B級映画である事を覚悟完了』して観てたらここまでショックは受けなかったのでしょうが、余りにも予想の斜め上…というか『斜め下』を行く内容に、久々に本気でブッ飛んでしまいました。
いや、スタン・ウィンストンが製作に関わってる時点で『マトモな(というか真っ当な)映画じゃ無い』と気づくべきだったのでしょうが…
総評としましては、何と言いますか『面白いとか面白くないとか以前に、パッケージと内容の乖離があり過ぎ』な作品ですよ。
タイトルも、こんな小洒落たタイトルじゃなくて『超時空輪廻伝説イアン』とかにするべき!!
少なくとも『パッケージやタイトルから興味を持って本作を借りてみよう』って人は、要注意の作品です。
逆に、B級ファンタジーである事を最初から理解した上でネタとして借りるならば、まあ我慢できないレベルの作品でも無いと思いますよ。(別の意味で『楽しめる』かもしれませんし。)