NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「スターシップ・トゥルーパーズ3」(55点/SFアクション)

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■■■「スターシップ・トゥルーパーズ3」■■■
(55点/SFアクション)

 人類とバグズの戦争開始から11年。

 惑星Pでの働きを認められたリコは大佐へと昇進して、最前線の殖民星であるロク・サン星の前線基地の指揮官を任されていた。

 そんなある日、ロク・サン星へと連邦軍の総司令官が極秘に視察に来る事となるが、総司令官の視察の最中に基地の防衛システムが突然の停止。
 大量のバグの襲撃を受けた前線基地は、一瞬にして壊滅してしまう。

 九死に一生を得たリコ大佐だったがは、先に脱出した筈の総司令官と彼の仲間の載った宇宙船がバグズの襲撃により、惑星OM-1へと不時着している事を知らされた彼は、行方不明の乗員の救出作戦の指示を取る事となるのだった。


 ポール・バーホーベン監督による、スペクタクルSFアクション映画であるスターシップ・トゥルーパーズ
シリーズの3作目に当たる作品。


 前作の「2」はバーホーベン監督が全く製作に関わっておらず、内容も『閉鎖環境型ホラー映画』という全く別のジャンルになってしまっていた本シリーズですが、3作目はバーホーベン監督も製作に関わっているという事で、1作目同様に過激な描写とブラックなネタが詰め込まれたノリに戻っているのはファンとしては嬉しいところ。

 また『1作目の主人公』がそのまま登場していたりと、ストーリー的にも『正統な続編』の位置付けになっているので、2を全否定する訳じゃ無いですが『もう、2の事は忘れても良いよ』という事なんですかね?

 ただ『ノリが1作目に近くなった』とは言え、やっぱ1作目と比べてしまうと厳しい作品であるのも事実。

 なんでも本作はアメリカのTV映画向けの作品として作られたらしいのですが、流石に予算が厳しい部分があるのか特撮はCGは少々ショボ目。
 CGで作られたバグズの動きが妙にワンパターンだったり、開けたフィールドでの大規模な戦闘ではなく妙にせせこましい場所での戦闘シーンが多かったりと、少なくとも1作目のように大迫力という訳には行きません。

 まあ、それでも序盤のバグズの襲撃シーンは、なかなか迫力があって『TV映画にしては結構頑張ってるなぁ』って感じなのですが、これが物語の中盤になると打って変わってメチャクチャ地味で冗長な展開に…

 とにかく隊員が遭難してから、主人公が救助に向かうまでのプロセスが物凄く長くて、ダラダラとしたシーンが延々と続いてダレるダレる。

 まあ、1作目のようなノリで作るには予算が厳しかったんでしょうが、中盤から唐突に『やっぱTV向けのB級映画だなぁ』ってノリになってしまうのは残念な所ですね。

 また「3」では、原作でも出てくるトルーパーズの『パワードスーツ』が遂に登場するのですが、コレが物凄く出番が少ない上にアクションも地味でちょっとガッカリ。
 (なんか、動きのモッサリっぷりが「THE 地球防衛軍」ってゲームのベガルダを思い出した…)

 あと1作目であったような軍の『プロパガンダ放送』が、本作でも物語の所々でカットインとして挿入されているのですが、今回は妙に『プロパガンダ放送』のネタが多すぎて、流石にちょっと鬱陶しいです。

 ネタとしても今回は『政治ネタ』だけじゃなくて、『宗教ネタ』まで突っ込んでおり、流石にネタとしても『ちょっとやり過ぎ感があるかなぁ?』と…。
 (ラストの宗教ネタの連発は、個人的にちょっと引いてしまいましたよ。)

 1作目は、時期的にも湾岸戦争やらアフガンやらでの米軍への政治的な批判のネタとして納得できましたが、流石に『今回のはどうなの?』って感じでした。


 総評としましては『1作目には遠く及ばない』完成度ながらも、まあ『続編としてはアリかな?』ってレベルの作品にはなっていると思います。

 とりあえず2作目を観て納得行かなかった人も、本作ならまだ納得出来るんじゃないでしょうか?
 まあ、『地味で見所が少ない』って点は難点ではありますけど『観れないレベルでは無い』って程度には収まっておりますしね。

 映画として見ると、ちょっと派手目のB級SF映画ってレベルではありますが、1作目を観てないと設定とかが訳ワカメだと思うので、1作目を観ている事が推奨の作品ではありますね…。