NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「棲む女」(60点/オカルト:結構オススメ)

イメージ 1

■■■「棲む女」■■■
(60点/オカルト:結構オススメ)

 救急救命士のマーカスは、ある日、知人であるエマを目の前で失い、言いようの無い喪失感に捕らわれるが、その当日に偶然にも妻の浮気現場を目撃した事から夫婦の仲が冷め切った状態になってしまう。
 夫婦の関係に耐えかねた彼の妻は自殺未遂を行い瀕死の状態からなんとか蘇生するが、蘇生した彼女は自らを『エマ』だと名乗りだすという奇妙な現象が発生する。

 その頃、娼婦の連続殺人事件を調査していた探偵のカラザーズは、調査の最中に助手でもある息子が何者かに殺害されるという事件が起こる。
 彼は真相を追って行くうちに、この事件の裏に『超自然的な力』が存在することを確信する。

 そしてやがて2人の男性達の運命は、意外な真実で結びついていくのだった…



 女性の体を次々と移り棲んでいく『謎の霊的存在』の恐怖を描いた、オカルトサスペンス映画。

 最初にタイトルを見た時は、てっきり「座敷女」的なサイコスリラーかと思っていたのですが、その実態は人体に憑依する『霊的存在』をモチーフとした完全なオカルト映画でした。

 しかし、設定だけ聞くと何か安っぽいですし全く話題にもなっていないタイトルですが、なかなかどうしてコレが掘り出し物でしたよ。

 ストーリーの組み立てが非常に良く出来ていて『2人の主人公の視点』で物語が進んでいくのですが、最初はあまり関係なさそうに見えた2人の運命が、謎が解けるに従って徐々に交錯していくのは、コテコテな作りながらなかなか面白いです。

 お話の展開も、序盤から『謎の提示』の仕方が上手くて興味を引っ張る作りになっていますし、派手さはあまり無いながらもドラマ部分の完成度が高いためサスペンスドラマとして良く出来ています。

 また『謎解きのプロセス』も、思いっきりオカルト的な展開ではありながらも説得力のある設定で、『不自然さを感じさせない』ような作りになっているのは、なかなかに上手いところ。

 『オチの落としどころ』も上手くて、敵役のキャラクターがあまり嫌味な感じになっていないのも良い感じです。

 ただ、映画全体の尺が2時間強と長めで、中盤でちょっとダレ気味になってしまう部分があるのが、唯一の残念なところでしょうか?

 あとは敢えてあげつらう程ではないものの、全体的に派手さに欠けて『今ひとつ盛り上がりきらない』ところと、ラストが少々投げっぱなしっぽくてちょっと物足りなさを感じたのが、ちょっとだけ惜しい部分かなぁ?


 総評としましては、派手さは無いものの『なかなか良く出来た佳作レベルのB級オカルトサスペンス映画』って感じで、悪くない作品だと思います。

 謎解き系のオカルトサスペンス映画が好きな人ならば、割とハマれる作品だと思いますので、そういうノリの作品が好きであれば観ておいて損は無い一本だと言えるでしょう。

 過剰な期待をしなければ普通に楽しめる作品だと思いますので、B級マニアで『佳作レベルの作品』を探している人が居れば、割とオススメ出来る一本だと思いますよ。