NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「アイボーグ」(65点/SFアクション)

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■■■「アイボーグ」■■■
(65点/SFアクション)

 国際テロが多発し問題化した未来のアメリカ合衆国

 政府はテロから身を守るために世界中の街角に監視カメラを設置し、更に世界中の通信を傍受し監視を行うという『監視自由法』を設立。
 自律的に行動するロボット型カメラ『アイボーグ』を導入する事で、国家のいたるところを監視下においていた。

 国土安全保障省のガンナーは、ある日、大統領の甥の命を狙った一人の男を殺人未遂で逮捕するが、その男から『現大統領は情報を支持率や操作して国民をだましている』という陰謀論を聞かされる。

 職員たちは彼の話に取り合わなかったが、その男が取調べ中に不審な事故で死亡するという事件が発生。
 事故の原因に疑問を持ち独自に調査を開始したガンナーは、調査を進めていくうちに事件の裏に隠された政府の驚くべき陰謀を知るのだった…



 アルコールやタバコすら禁止され『全ての情報が監視された未来社会』に張り巡らされた驚くべき陰謀を描いた、SFアクション映画。

 いわゆる、管理された未来世界を描いたディストピア』もののSF映画なのですが、『気づかない間に支配が進んでいる』というコンセプトはなかなか面白いですね。

 全ての情報が『記録』されるようになった未来社会で『情報操作によって民衆を支配する』って設定は、ややありふれていてインパクトこそ薄いものの、ここまで情報化が進んでいる現代の社会を考えると、いかにもありそうな未来でちょっと怖いです。
 (昨今も『政府や某社が情報の隠蔽を行っている』というウワサもありますし…)

 ストーリーとしてはサスペンス的な要素が強めで、序盤は『関連の無さそうな話』が続いて盛り上がりに欠ける感じですが、後半でキレイに伏線を回収しつつコンパクトにお話をまとめているのは、なかなか上手い作りだと思います。

 謎解き要素も終盤の展開がなかなか意外性があってが思いのほか良く出来ていて、ストーリーに関しては想像してた以上に面白かったですね。

 タイトルにもなっている監視ロボット『アイボーグ』に関しては、ヤボったいデザインなのに加えて、序盤はあまり活躍するシーンが無いので『イマイチかな?』と思いましたが、終盤になると軍用アイボーグとかも登場してなかなか派手な展開で楽しませてくれます。

 惜しむらくは『もうちょっと派手な見せ場があれば良かったかなぁ?』ってところですが、まあそこは予算相当といった部分なので致し方ないところかと…
 (パッケージを見るとアイボーグが「ターミネーター2」ばりに戦争でも始めそうな印象ですが、そこまで派手な見せ場はありません。)

 あと、ラストのオチがちょっと弱い気がしたので、最後はもう一捻りあっても良かったかも?

 ちなみにパッケージや宣伝文句を見ると、最近話題のダニー・トレホがいかにも主役っぽい印象で書かれていますが、割と脇役っぽい扱いなのでファンの人は要注意です。


 総評としましては、小粒ながらも意外とよく出来た『佳作クラスのB級SFアクション映画』といった感じの作品です。

 ストーリーが良く練られており、低予算の割にはCGやアクションシーンなんかも頑張っている作品なので、SF映画が好きな人ならばごく普通に楽しめるレベルの一本ではないかと…

 近未来SFものやSFサスペンス系の作品とかが好きであれば、なかなか面白い作品だと思いますので、その手のジャンルが気になる人であればチェックしておいても損は無いタイトルだと思いますよ。