NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

劇場にて「ラスト・エクソシズム」を観てきました。

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 劇場にて「ラスト・エクソシズム」を観てきました。


 ルイジアナ州で聖職者の家系に生まれ自分も牧師を務めるマーカスは、自分の仕事を信者を納得させ安心させるための一種のエンターテイメントだと考え、それを実践し信者からの篤い信頼を得ていた。

 彼はエクソシストとしても同様の手法を使って何度も『悪魔祓い』を行い、信者に自己暗示を与える事で儀式を成功させてきたが、そんなある日、別の神父が悪魔祓いの最中に一人の少年を窒息死させてしまうという事故が起こった事を知る。

 自分と同様に『演出』でしかない筈の悪魔祓いの儀式で死者が出たという事を知り心を痛めた彼は、『悪魔祓いの実態』を世の中に知らしめる為に記録映画を作製する事を決意。

 一人の少女の『悪魔祓い』でトリックを用いた演出の一部始終を撮影する事によって、世間にその実態を知らしめエクソシストを引退する予定だったのだが…


 ルイジアナ州のとある農家でエクソシズムの実態』を撮影していた牧師とクルーが謎の失踪を遂げる。
 この映像は後に農場にて発見されたフィルムに収められていた、牧師たちに何が起こったかを記録した恐るべき真実である…

 …といった感じの設定の「ブレアウィッチ・プロジェクト」風の、いわゆる『なんちゃって実録風味』のPOV形式のオカルトサスペンス映画です。

 「ブレアウィッチ~」が低予算で大ヒットを叩き出したため、一時期は雨後の筍のように作られていたPOV形式の実録風ホラーですが、流石にマンネリ化のせいで下火になってきたかと思いきや、最近はパラノーマル・アクティビティ」のヒットのおかげで、またブームが再燃しているようですね。

 本作はPOV形式映画の『悪魔祓い版』といった感じのお話なのですが、『悪魔祓いのトリックを暴くために撮影していたつもりが実は…』という設定に一捻りある辺りは、なかなか個性があって面白いかと…

 ただ、個性があるのは良いですが『演出が過ぎる』印象で、とてもじゃないけど『実録映像』って設定は無理があるだろ…ってのは正直なところ。

 お話としては『悪魔祓いの様子を撮影中に行方不明になったスタッフのカメラから回収されたフィルム』って感じの設定なのですが、実録フィルムの割にあからさまに『編集されている部分』があったり、シーンによっては効果音やBGMが流れたりと『いったい誰が丁寧に効果音まで入れて編集したんだよ!!』とツッコミを入れざるを得ないような内容。

 肝心のお話の中身に関してですが、CMとかを観ると『悪魔祓い』を描いた実録オカルト映画っぽい感じなのですが、実際にはオカルト色よりもサスペンス色の方がかなり強めで、サスペンスとして観るとそこそこ面白いのですが純粋にオカルトとして観ると、ちょっと微妙な印象かな?

 ただサスペンスとして観るとしても、序盤の『エクソシズムの舞台裏』的な種明かし映像を撮影する部分の流れがかなり冗長で、お話もなかなか先に進まないため、正直言ってちょっとダルい。
 睡眠不足の状態だったせいもあるのですが、ぶっちゃけ途中でちょっと眠くなってしまいましたよ。

 終盤の展開は結構怖いですし面白いのですが、その部分にたどり着くまでが長すぎてどうにもダレてしまうのは辛いところですねぇ。

 ラストシーンも『その状況だったら、後にフィルムが発見される事は有り得なく無いか?』というツッコミを入れたくなるようなオチですし色々と設定に無理がありすぎ…

 正直言って、このストーリー構成であれば無理矢理『実話風POV映像』とかにする必要性は全く無くて、むしろ普通にオカルトサスペンス映画として撮影した方が演出とかにも力を入れれるし、ストーリーも分かり易くて面白い作品になったんじゃ無いかと…


 総評としましては、POV系の作品としては微妙な感じではありますが単純に『オカルトサスペンス映画』として見るならば、ちょっと捻りが利いててそこそこ楽しめる作品だと思います。

 終盤の展開の怖さとかそれなりに観れる部分もあるのですが、全体的にテンポがあまり良くないのとPOV(実録)系にしたメリットがあまり思いつかない辺りは『コレジャナイ感』を感じさせている部分なのかも…

 「パラノーマル・アクティビティ」とかみたいに『劇場で観た方が緊張感があって良い』ってタイプのものでも無いので、ぶっちゃけ劇場まで行かなくてもビデオ化された時にでも家でのんびり観る方が向いてる映画かな…と思いますよ。