■■■「ジャングル サバイバル・ゲーム」■■■
(25点/モンスター)
オオネコ種の保護活動家であるラリーは、映画撮影担当である弟のベンとともに絶滅危惧種のヒョウを撮影し保護するためにインドネシアのジャワ島を訪れる事になる。
地元のクルーと共に撮影にジャングルへと赴く彼らだったが、その場所は地元の住民の間で『森の悪魔』が棲んでいると恐れられている場所だった。
ジャングルで動物の争った形跡を発見した彼らは、ヒョウを追跡して奥地へと踏み込んでいくが、その先でジャワ島での生態系の頂点である筈のジャワヒョウが何者かによって殺害されているのを発見。
その場所で奇妙な呪術の形跡を発見した地元のクルーは『不吉な場所』として帰る事を提案するが、ラリーはヒョウが密猟者か別のヒョウによって殺害されたのではないかと考え、犯人を探す為に撮影を続行する事となるが…
ヒョウを撮影するためにジャングルの奥地へと踏み入ったスタッフが『ヒョウをも殺害する何者か』によって襲われるという、POV形式のモンスターホラー映画。
以前に『ワニ版の「オープンウォーター」』みたいな「ブラックウォーター」って映画を撮影した監督さんの新作だそうですが…
ぶっちゃけ「ブラックウォーター」もかなり微妙な内容だったのですが、本作はそれ以上に微妙というかなんとも言えないような作品ですね。
お話としては、いわゆる「ブレアウィッチ」タイプのPOV形式のモキュメンタリーで、最近よくあるタイプの低予算映画という感じ。
低予算の割には映画としては意外とシッカリと作られており、主人公たちのキャラクターの描き方なんかも悪く無いので、序盤~中盤にかけての展開はそこまで悪く無い印象なのですが…
何と言いますか低予算映画に良くあるパターンで、とにかくモンスターがなかなか出てきません。
お話がマトモに動き出す…と言うかモンスターがチラリとでも登場するのが60分以上経過した辺りで、ようやく出てきたモンスターも『ジャングルの奥で目が光ってるだけ』とかだけでホントにチラっとしか姿を見せずにとにかく盛り上がらないのが辛いところ。
演出とかは割と上手くて緊張感の維持のさせ方は良い感じなので終始退屈という訳では無いのですが、目玉である筈の終盤の襲撃シーンが夜のジャングルで『真っ暗なうえに主観視点でカメラがブレまくり』なせいで、何が起こってるのやら全く理解できないような情況で、盛り上がるはずの場面でどこをどう楽しめば良いのやら分からないのは困りものでしょう。
ぶっちゃけ、散々引っ張ってモンスターが出現した終盤の展開よりも、序盤の『ヒョウを追跡していたシーン』の方がシッカリと描かれてたうえに緊張感や説得力があって面白かったという本末転倒な内容に…
ラストも物凄い唐突でオチも無いような投げっぱなしな終わり方ですし、怪物は最後までカメラにマトモに写らずに正体もサッパリ分かりません。
80年代ぐらいの映画ならともかく、流石に『今時のホラー映画でこの展開は許されんだろう?』って感じのアバウトなノリはいかがな物かって内容でしたよ…
総評としましては、全体としては悪くはない感じの部分もあるのですが、肝心の怪物の出番が少なすぎて『物凄く物足りないモンスター映画』という感じ。
そこまで酷い映画じゃないものの最近のPOVは良作も多いので、本作がオススメ出来るほどのものかと言われると『ちょっと微妙なところ』と言うのが正直な感想です。
気になっているのであれば観るのを止める程では無いですが、『三度の飯よりモンスターもののPOVが大好き』とかって奇特な人で無ければ敢えて観る程の作品では無いと思いますよ…