NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「イグジスツ 遭遇」(55点/モンスター)

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■■■「イグジスツ 遭遇」■■■
(55点/モンスター)

 テキサスのビッグ・シキット国立保護区にある叔父さんの山小屋でバケーションを過ごそうと考えたマットとブライアンらの5人の若者たちは、山小屋に向かう途中の深夜の森の中で車で何かを轢いたような衝撃を感じる。

 車から降りて確認してみるも何も発見できなかった事から、諦めて叔父さんの小屋へと向かった彼らだったが、翌日に車のバンパーに何かの動物の毛と血痕らしきものが付いているのを発見。

 更に友人のビデオ撮影中に何かの獣のような姿を目撃し巨大な足跡を発見したブライアンは、以前に叔父さんが森の中で目撃したというビッグフットが存在するのでは無いかと考えるが、そんな彼らの元に深夜に巨大な野獣のような何者かが小屋へと襲撃に訪れ…



 森の中に山小屋にバケーションに訪れた若者たちが『ビッグフット』らしき怪物の襲撃を受けるという、モンスターパニック映画。

 いわゆるファウンド・フッテージ(実写)タイプのPOV形式の超低予算ホラー映画なのですが、なかなかどうして低予算の割には意外に良く出来た作品です。

 お話としては『人里離れた森の中の小屋に訪れた若者たちが謎の怪物(ビッグフット)の襲撃を受ける』というホントにそれだけの話なのですが、演出の上手さなのか何なのか低予算の割には主人公たちが使っている手持ちカメラの映像が妙にリアリティがあるんですよね。

 モンスターの襲撃シーンとか、いわゆる出し惜しみタイプで終盤までチラっとしか姿が映らないのですが、この『チラ見せ』具合がいかにもU.M.A.を撮影した映像って感じで妙に説得力があるんですよ。(笑)

 過剰なショッカー演出やら残虐シーンやらもあんまり無いのですが、わざとらしい演出が少ないのも妙にリアルっぽい感じ…

 モンスターの襲撃の理由も割と納得の行く感じの設定がされており、人間側とおたがいに『やられたらやり返す』って感じで血で血を洗うような展開になってるのも、ストーリーに説得力がありますし、主人公たちに対してモンスターが無個性でじゃなく割とキチンとキャラが立ってるのも上手いです。

 お話のテンポも割と良くてダレるような場面も殆ど無いですし、ラストのちょっと切ない感じの展開も良い落としどころだと思いますし、完全に狙って作った訳じゃ無いとは思うのですが『低予算である事』が作品のコンセプトに上手くハマった感じの映画という印象です。

 ちなみに、この手のビッグフットとか猿人系のモンスターって割と動きが鈍重なイメージがあるのですが、本作のビッグフットは全力で逃げる人間を追いかけて『森の中を風の様に駈け抜けて襲い掛かってくる』のにはリアルなんだけど何だかちょっと笑ってしまいました。
 (いや本来は野生動物だから人間より素早いのは当然なんでしょうけど…普通は気ぐるみだと動きがトロくなるせいで『カメラの死角から不意打ち』とかが多いですからね。)


 総評としましては、POVらしく超低予算な作品ながらも『予算の割には以外と良く出来たモンスターホラー映画』って感じの作品です。

 いかんせん超低予算映画なために過剰な期待をするほどでは無いですが、この手のファウンド・フッテージ(実録映像)タイプのモンスターホラー映画とかが好きな人であれば、ごく普通に楽しめる映画だと言えるでしょう。

 まあオススメという程ではないですが、もし気になっているのであればチェックしておいても損は無い一本だと思いますよ。