NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「メガ・パイソン VS ギガント・ゲイター」(20点/モンスター)

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■■■「メガ・パイソン VS ギガント・ゲイター」■■■
(20点/モンスター)

 アリゲーターの保護区で働く自然保護官のテリーは、ある日、自分の担当保護区で巨大なパイソンが大量に発見されアリゲーターを襲うという奇妙な現象に遭遇する。

 彼女は保護区を守るためにハンターたちを雇ってパイソン狩りを行う事となるが、大量の大蛇のせいで多くのハンターの命や恋人のジャスティンまでもが殺されてしまう。

 怒りに囚われた彼女は、知人の大学生から実験中のステロイド(筋肉増強剤)を譲り受け、それをアリゲーターに与えて巨大化させる事によってパイソンの群れと戦わせようとするが、ステロイドが予想以上の効果を発揮してしまい…



 ステロイドによって巨大化したパイソンとアリゲイターの群れが人間を襲うという、モンスターパニック映画。

 いや、なんというか久々に『コレは酷い!!』とツッコミを入れざるを得ないような作品ですな。

 もう何と言うか、設定とかストーリーとかが『破天荒』というかハチャメチャにも程がある!!

 お話としては『湿地帯に大量のパイソンが出没し人やワニを襲い始めた』という事が発端となる訳ですが…

 このパイソンが大量に出現した理由が『ヘビを溺愛する頭のイカれた生物学者のお姉ちゃんが研究所から盗んできたヘビを大量に逃がしたから』という、自然の警鐘も科学の濫用も無い『単なる趣味』という物凄く身勝手な理由。

 しかも、序盤で盗んできている大蛇はせいぜいが体長3mぐらいのサイズなのに、何故か湿地帯に出没するのは『10mはあるような超巨大サイズ』で、いきなり何十匹も居るという不自然さ。
 いやいや世界中の研究所を探しても、そんなサイズのパイソンが大量に要る場所は無いだろうし、そもそもそんなデカいヘビをどうやって運んで来たんだよ?(つか全世界のジャングルから掻き集めても、そのサイズのパイソンがそんなに揃えられるか怪しい…)

 対して、恋人をパイソンに殺された自然保護官のお姉ちゃんが、それに対抗する為に『ワニにステロイドを与えて巨大化させる』という設定も、これまたキチガイ染みてて凄いです。
 『パイソンからワニを保護するため』とかって名目だけど、どう考えても私怨でワニを巨大化させてるようにしか思えないですし、そもそも『ワニを保護するつもりはあっても自然を保護するつもりは無いだろ!!』というか、人間が食われる程にワニをデカくして何がしたいのかと…

 最終的にワニの卵を食ったパイソンも巨大化してしまい、『20mぐらいのアホのようなサイズのパイソンとアリゲータの大群が大暴れする』のですが、身勝手なお姉ちゃん2人の思いつきで都市が壊滅の危機に瀕するとかハタ迷惑にも程があるだろ!!

 まあヒロイン2人の迷惑な設定からし『ブラックなコメディ的要素』を狙っているのでしょうが、それ以外にもツッコミどころが多すぎて、ここまでムチャクチャだと逆に清々しいレベル。

 ちなみにストーリーのクレイジーっぷりと並んで特撮の方もかなりお粗末なレベルで、モンスターはCGなんだけど合成が物凄くチャチで全体的に違和感がありまくり。

 モンスターのスケールもシーンによってまちまちで、一つ前のシーンでは5~6mのサイズだったと思ったら次のシーンでは20mぐらいに巨大化してたり、パイソンが電車を丸ごと飲み込むシーンがあったり(30mぐらいは必要だよね?)と、とにかくムチャクチャ。

 ストーリーも含めてあまりにもツッコミどころが多すぎて、もはや観ててツッコミ疲れるレベルでしたよ…

 あと余談ですが、この作品を撮ってるのが「ペット・セメタリー」の監督だったメアリー・ランバートだと言うのですから、もう『どうなっちゃったんだよ?』としか言いようがありませんな。
 S・キングの映画化作品としては、そこそこ出来の良かった「ペット・セメタリー」の完成度はいったい何処に行ってしまったのかと…(まあ「ペット・セメタリー2」は紛れも無いクソでしたが…)


 総評としましては、何の比喩でも無く色んな方面において『掛け値なしに酷い映画』としか言いようが無いような作品です。

 ただ、ここまで酷いと十分に『酷すぎて笑えるレベル』に到達していると思いますし、ツッコミどころは多いながらもそこそこ楽しめる…というか『ツッコミどころが多すぎて逆に楽しめる』ような映画ですので、ネタと割り切ってみる分には十分にアリな一本でしょう。

 マジメな『生物パニックホラー映画』のノリを期待して観ると、噴飯物どころか脳の血管が切れて倒れそうになるかもしれないので、もし『普通の作品』を期待しているのであれば観ない方が無難かもしれませんけどね。(笑)