NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「新アリゲーター 新種襲来」(15点/モンスター)

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■■■「新アリゲーター 新種襲来」■■■
(15点/モンスター)

 アメリカのルイジアナ州の湿地帯で、化学物質に汚染された密造酒の違法投棄によってアリゲーターに突然変異が発生。

 ナマズ捕りの猟師が『尻尾に刺のある見たこともないような巨大なアリゲーター』に襲われて食べられてしまうという事件が発生する。

 襲撃現場を目撃したワニ狩り猟師の娘のであるエイブリーは、恋人のデイサンと共に異様に凶暴なこの変異種の危険性を警告するが、街の人には信じてもらえずに更なる犠牲者を出してしまう。

 次々と住人が襲撃された事により町は、ワニ狩りの名人を雇って変異ワニの退治を依頼。
 名人がワニの巣を発見した事により、全ての変異ワニが退治されたかと思われたが…



 化学物質の違法投棄により突然変異を起こした巨大なアリゲーターの群れが街の住人を襲うという、モンスターホラー映画。

 「新アリゲーター」なんてタイトルが付いてますが、当然ながら本家「アリゲーター」シリーズとは関係のない完全に別の作品です。
 (つっても本家の「アリゲーター」シリーズも化学物質の不法投棄が原因だったので、まあ『化学物質の不法投棄でワニが突然変異』ってのだけは共通点かな?

 先日レビューを書いた「ポセイドンレックス」の監督であるグリフ・ファースト監督の撮った作品のようで、この監督って『低予算の割にはそこそこ安定した作品』が多いのですが、本作は久々に大ハズレな感じ。
 (つっても、いつでも『ちょいハズレぐらいなので大勢に影響は無いですけど…(笑)』)

 本作の何が辛いって、とにかくお話がツマんない。

 なんか『思いつきだけで脚本を書いたんじゃないか?』ってぐらいに適当な内容で、ストーリーが物凄く薄っぺらくて展開が矢鱈と唐突。

 変異ワニのエピソードに絡めて『二つの旧家の対立』みたいなのが描かれているのですが、登場人物が多い割にはキャラの描きこみがされておらず、ヒロインと恋人以外は全員が『下品な田舎者』みたいな似通ったキャラ付けなので、登場人物の9割が誰が誰やらマジに分からなくなります。

 また、コイツらのキャラクターがホントに不快になる連中ばかりで、登場人物への感情移入が全く出来ないので『観ていてちっとも楽しくない』のも非常に辛いです。

 あと矢鱈とお話の展開が早くて、シーン毎の繋がりがグテグテなのも分かり難さに拍車をかけている感じ。

 ストーリーの展開も超展開すぎて『なんじゃそりゃ?』って感じです。
 変異ワニに噛まれた人間が『ワニに変身してしまう』ってのはいくらなんでも無理がありすぎ!
 化学物質の影響で『ゾンビになる』とかなら『ワニになる』って狼男じゃないんだから…B級ホラーを散々観ている自分でも『いやいや、その設定は流石に無理があるだろ!!』とツッコミを入れたくなりましたよ。

 設定の無茶さに加えて、細かいお話の展開もあちこちで破綻してる感じで、ワニを銃を持った男たちが10人ぐらいで取り囲んで速攻で倒した直後に、2匹のワニが追加で出てきただけで何故かみんながビビって一斉に逃げ出してみたりとか、何かにつけて無理のある展開が多い。

 でも誉めるところが全く無い訳ではなく、ストーリーが恐ろしくツマんない割にはワニのCGは割と良く出来て、そこそこ観れるレベルになってるのはまあまあ良い感じ。(モーションは矢鱈とカクカクしてて、ちょっとショボいですが…)

 ただ、ワニが『大きめのアリゲーター』って程度のサイズしかないのと、尻尾にトゲがあるって以外は普通のワニとあまり変わらないので、モンスターに今ひとつ迫力が無いのは残念なところでした。


 総評としましては、なんというか『非常に残念なレベルのモンスターホラー映画』って感じの作品ですね。

 全く見る価値が無いというレベルではないものの、観てて楽しい部分よりイライラしたり不快になる部分が多いような感じの作品なので、個人的にはちょっとオススメできない感じの内容です。

 『トンデモ設定』のネタ映画としてならまあまあ見る価値があるかもしれませんので、そういう『ネタ系の作品』を探しているのであれば、とりあえずチェックしてみるのも手かもしれませんよ。