NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ゾンビ・ウォー101」(45点/モンスター)

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■■■「ゾンビ・ウォー101」■■■
(45点/モンスター)

 アメリカ南部のブロークン・スプリングスという田舎町の炭鉱で爆発事故が発生。

 その影響で、隣接していた軍の旧兵器工場から化学薬品が流出し、化学物質によって汚染された密造酒を飲んだ人間が次々とゾンビ化していってしまう。

 炭鉱の事故で父親を失った高校生のケンは、酒ばかり飲んで暮らす義父のジミーがゾンビ化した事により、いち早く密造酒が原因だと気付く。

 さらにパーティ会場でクラスメートが次々とゾンビになって行くのを見た彼は、友人たちと共になんとかして町の人へと密造酒が危険である事を伝えようとするが…



 化学物質で汚染された密造酒を飲んだ人達がゾンビと化して炭鉱の町を襲うという、モンスターホラー映画。

 パッケージを見ると、何か世紀末っぽい改造を施された武装の絵が描かれていますが、内容の方はそこまで世紀末という感じではなくて割と『普通の低予算ゾンビ映画』って感じの作品です。

 お話としては、『旧兵器工場から漏れた汚染物質の混ざった密造酒を飲んだ町の人がゾンビ化して、冴えない高校生の主人公たちが町の人や肉親を守るために頑張る』とまあそれだけの内容ですね。
 そこまで捻ったような要素は無いですが、お話のテンポは良くて全体的に退屈はしない印象。

 展開も割とコテコテな感じなのですが、序盤は今ひとつ主人公たちのキャラが立ってないせいで、ちょっとグテグテな部分が目立ちます。

 ただ終始グテグテな展開ではなく、中盤以降の展開はなかなか熱い感じなのは良いですね。

 主人公たちが汚染された密造酒の情報を町のみんなに伝える為に危険を顧(かえり)みずに放送局を目指す展開や、肉親を救う為に自動車を改造して件の『武装車』を作って、ゾンビたちを蹴散らしながら救出に向かうシーンとか、矢鱈と盛り上がるような『熱い展開』が多いのは良い感じ。

 ただ基本的に物凄い低予算映画で、特撮関連がかなりショボい印象なのは残念なところ。
 ゾンビなんかも、殆どが『ただの血糊を付けた顔色の悪い人』みたいな感じだし、残虐シーンも作り物まる出しであまり迫力がありません。

 特に最大の見どころである筈の武装車』でゾンビを蹴散らすシーンが、一部はCGを使って頑張っているものの、殆どが『ゾンビが轢かれてる感じのイメージ映像』みたいになっており、『そこはもうちょっと頑張れよ!!』とツッコミを入れたくなったのは自分だけですかね?

 また先述のとおち登場人物のキャラが立っておらず、主人公を含めて全体的に影が薄すぎるのは残念なところ。
 そのせいで、お話の展開が熱い割には登場人物に感情移入できずに、ちょっと盛り上がりが空回りしてる感じで『ノリきれなかった印象』があるのは勿体無い部分でした。
 (特にヒロインは影が極薄すぎて『コイツは登場させる必要があったのか?』と問い詰めたくなるレベル。)


 総評としましては、凄い低予算だしショッパイ内容なんだけど『思ったよりは意外と楽しめる感じのゾンビ映画ってところでしょうか?

 何と言うか『描こうとしている方向性やストーリーはなかなか良い感じ』なのに、技量が若干不足してるのに加えて、予算が全く足りてなくて残念な感じの作品になっている印象。

 まあ低予算な部分に目をつぶればゾンビ映画としては割と楽しめる要素も多いですし、そういうジャンルが好きで気になるようならチェックしてみても損は無いタイトルだと思いますよ。