■■■「バトル・ハザード」■■■
(55点/モンスター)
近未来、東南アジアの某都市で人間をゾンビ化させる新種のウィルスが漏洩するという事故が発生。
町に溢れかえったゾンビの群れを制御できなくなった政府は、街を封鎖して市民もろとも感染者を隔離するという措置を実施する。
傭兵であるマックス・ガトリング少佐は、街に取り残されてしまった大富豪の令嬢であるジュードを救出するという任務に就く事となるが、作戦時間内に任務を完了できなかった彼は仲間を先に帰還させて、単身で大量のゾンビの徘徊する街へと残る事となる。
街に居残ることで、なんとかジュードらの生き残っていた人々と合流したマックスだったが、その頃、政府が感染者を殲滅するために『街を焼き払う』という計画のタイムリミットが刻一刻と迫っていたのだった…
ドルフ・ラングレンの扮する特殊部隊の隊員がゾンビだらけの街から大富豪の令嬢を救出するという、ゾンビもののアクションホラー映画。
先日、セガールの主演のゾンビ映画がありましたが、続いて遂にD・ラングレンもゾンビと戦う作品が登場したようです。
(というか、この手のゾンビ映画にアクションスターって割と相性が良いと思うんだけど、意外と出てないですよね。)
お話しとしては『ゾンビだらけのエリアから要人を救出する』という、アクションホラーものとしては割とありきたりな感じの内容なのですが、近未来が舞台という設定で『暴走した殺人ロボット』が登場してみたりと単なるゾンビ映画で終わらずにちょっとSF風味な要素があったりする辺り、超低予算な他のゾンビ映画とは差別化されている感じ。
ちなみにゾンビは非常に『活きの良いゾンビ』のタイプなので、流石のラングレンもちょっと苦戦気味(セガールほど無敵じゃないし…)なのですが、やはりロボが登場したりする辺り無敵のヒーローの相手がゾンビだけでは役不足だという事でしょうか…
タイトルや設定からして、もっとゾンビとバッタンバッタンと戦うだけの映画なのかと思いきや、そうでもなくて意外とちゃんとしたストーリーがある印象。
ただ、ストーリーの大半が『生き残ったメンバー同士の内輪もめ』で話がややこしくなってるだけという感じの展開で、『街の中で生き延びたひと握りの人々』という設定の割にはあまりにもまとまりが無さ過ぎて、『こんなに協調性の無い連中がゾンビに襲われて生き残れるのかよ?』というツッコミを入れたくなってしまうのは困りもの。
またストーリーを描く部分に割と尺を割いているため、ちょっと作品のテンポが悪くて全体的にスピード感に欠ける印象があります。
終盤のみんなで街から脱出しようとするシーンで、スクラップ工場に立て篭もってゾンビに対抗する武器を作ろうとするシーンとかはなかなか熱いですし、ラストの地下街での戦闘シーンとかも割と盛り上がって良い感じなのですが、それ以外のシーンがどうにも見どころに欠けるんですよねぇ…
アクションシーンも思ったほど多くなくて、ゾンビとの戦闘シーンが全体的にアッサリしすぎてて、なんだか盛り上がりに欠ける印象。
せっかくD・ラングレンが主演をやってるんだから、もっと格闘アクションでゾンビをギッタンギッタンにやっつけるようなシーンが豊富に描かれてても良かったと思うんだけどなぁ…
なんと言うか、全体的な完成度は低くないので安定して観れる内容ではあるのですが、コレといった見どころという程の部分もあまりなくて、どうにも盛り上がりに欠ける内容という感じなんですよね。
予算を大目にかけるなら、もうちょっとアクション重視の派手な内容にしてくれた方が主演男優的にもあってた気がします。
ラストの展開もちょっと唐突だし『街から脱出するために軍と戦わないとならない』みたいな設定がスッカリ忘れられてるしで、どうにも物足りなさの残る作品でしたよ。
総評としましては、良くも悪くも『ごく普通のアクションホラー映画』って感じの作品ですねぇ。
なんというかツマンナイ訳じゃ無いのですが期待してたほどには迫力が無くて、ゾンビものとしてのインパクトも弱くて、どうにも勿体無い感じ。
まあD・ラングレンが大好きで予告編を観て気になっているとかってのであれば、特に止めるほどの理由はありませんし、アクションホラーものが好きなのであればそれなりに楽しめる内容ではありますので、とりあえずチェックしてみても良い程度の一本ではあると思いますよ。