■■■「ナイト・スリーパーズ ダム爆破計画」■■■
(50点/サスペンス)
アメリカのオレゴン州に住むジョシュらの3人の環境論者は、近隣の環境に大きな影響を与えている水力発電ダムの爆破を計画する。
周到に準備を整えて思惑通りにダムの爆破に成功した彼らだったが、予想外にダムの下流でキャンプしていた一人の男性を巻き込んで殺してしまう事となる。
『犠牲者は誰も出さない』という予定で計画を進めていた彼らは、この不測の事態に激しく動揺してしまうが…
3人の環境論者がエコ・テロリストとなってダムの爆破計画を実行するが、不測の事態によってその関係が崩壊していくという、サスペンス映画。
一応サスペンス映画とジャンル分けしていますが、どちらかというと人間ドラマが主体の感じのお話で、いわゆる雰囲気映画というかダウナー系のサスペンス映画みたいな感じの作品ですね。
『たいした覚悟の無い若者たちが学生運動的なノリでダムの爆破を計画したところ予想外の犠牲を出してしまい、動揺した彼らの関係や生活そのものが崩壊していくという』感じのお話です。
全体的に非常に淡々とした作りの作品で、内容的にもサスペンスよりも人間ドラマ的な要素が強くて、全面に押し出された『無力感』やダウン系のテイストがなかなか良い味を出しています。
とにかく淡白な印象の作品で、特に事件が起こるまでに1時間ぐらいはかなりダラダラとした感じの展開が続いてお話がなかなか前に進まないので、そういうノリが苦手な人は結構イライラしてしまうかも?
明確な分かりやすいストーリーは2行で書いてしまえる程度の内容しかなく娯楽作品的な山場も全く存在しない映画ですが、色々と考えさせられたりするタイプの内容で、昔の邦画とかに良くあった感じの映画(学生運動とかの盛んな時代を描いた作品)といえば雰囲気が伝わるかなぁ?
ちょっと芸術性が強めの映画祭とかで評価されてるようなタイプの映画ですので、そういう方面の作品が好きな人ならば割と好みだと思います。
個人的には、あまりに淡々としすぎているせいで途中がちょっと眠くて辛かったので、『もうちょっと雰囲気映画的なノリに振り切れるかサスペンス要素が強ければ良かったかなぁ?』って感じの作品でしたよ…
総評としましては、悪くは無いんですが非常にダウナー系な内容のせいで『割とハッキリと好みの分かれる作品』だと思います。
そういうタイプの作品が好きな人には、なかなか楽しめるタイプの内容だと思いますが、スッキリとした娯楽作品として楽しむにはちょっと辛い部分の多い作品なので、そういうノリが苦手な人はスルーしてしまった方が良いかと…
逆にそういうノリが好きな人なら好みのタイプの作品だと思いますので、自分の趣味に合いそうで気になっているならばチェックしておいても良い一本かもしれませんよ。