NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「パラノーマル・エクスペリメント」(55点/サスペンス)

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■■■「パラノーマル・エクスペリメント」■■■
(55点/サスペンス)

 1960年台にアメリカ政府によって極秘裏行われた『人間に幻覚剤を投与する事で洗脳を行う』という人体実験である『MKウルトラ計画』。

 ジャーナリストのアンは唐突に行方不明になった大学時代の親友であるジェームズの失踪の原因を調べるために、彼の失踪前に残したビデオの内容をチェックしたところ、彼が『MKウルトラ計画』と計画に使われた謎の『幻覚剤』の調査を行っていた事を知る。

 彼の残した資料の中から幻覚剤を調合した人物を突き止めたアンは幻覚剤の製造者のもとを訪れるが、調査を進めるうちにその薬に秘められた恐るべき謎を知る事になるのだった…



 あるジャーナリストが友人の失踪の謎を追ううちに『MKウルトラ計画』に隠された恐るべき真相に迫っていくという、SFサスペンス映画。

 陰謀論やオカルト好きの人ならお馴染みの、冷戦時代にアメリカ政府(CIA)によって行われたと言われる洗脳実験である『MKウルトラ計画』を題材にした作品ですね。
 (ゲーム好きな人なら「CoD:BO」の元ネタになった実験と言えば分かりやすいかも?)

 お話としては『とあるジャーナリストが友人の失踪の原因を調べるうちに「MKウルトラ計画」が関係している事を知って調査を続けるんだけど、実は「MKウルトラ計画」には恐るべき秘密が隠されており…』みたいな感じの内容なのですが…

 いわゆる『陰謀論』を元にしたSFサスペンスなのかと思いきや一筋縄では行かない展開で、途中からオカルトとかコズミックホラー的なノリの展開になっていくのは意外性があって面白いです。

 お話のプロットやら雰囲気作りやらが非常に良く出来ており、実際の当時の映像やら事実やらを上手くお話に組み込んでいたり、都市伝説として有名な『乱数放送』の話が出てきたりと、現実と虚構が上手く織り交ぜられており、お話にリアリティがあるのは良い感じです。

 ただ雰囲気作りやプロットは物凄く面白いのですが、肝心の映画のストーリーや演出の方がイマイチなのはいただけないところ…

 序盤~導入部分は凄く面白いのに中盤からがかなり唐突なトンデモ展開で、リアル路線からのギャップにちょっとビックリさせられました。

 また恐怖演出も安易なショッカー演出の連続で、しかもその演出があまり怖く無いのでハッキリ言って拍子抜け。

 アイデアやプロットは物凄く面白いと思うので、もっと心理的な恐怖を狙ったような演出とか不安を掻き立てるような展開とかを上手く組み込めれば、非常に面白い作品になったんじゃないかと思うので、どうにも残念なところです。

 描きたい方向性やらは良く分かる作品でしたので、もうちょっと後半のトンデモ展開に向けで『説得力のあるような仕掛け』や『設定』が上手く描けてればなぁ…って感じでしたよ。


 総評としましては、アイデアやプロットは悪く無いんだけど内容の方は微妙な感じの、『なんとも残念なSFサスペンス映画』って感じの作品です。

 ただ『MKウルトラ計画』を題材としたPOV風味の作品という他には無いタイプのネタではありますので、そういう陰謀論とか都市伝説的なネタが好きな人ならばそこそこ楽しめる要素もある一本だと思います。

 まあ強くオススメするような程の内容ではないですが、観るべきところも無くは無い作品ですので、気になるようでしたらチェックしておいても良いのでは無いでしょうか…