■■■「AFFLICTED アフリクテッド」■■■
(50点/サスペンス)
親友のクリフとデレクの二人は、一年かけて世界中を旅してその様子をブログにアップするという企画のために世界旅行へと出発する。
出発から7日目の夜にパリのバーで美女をナンパしたデレクは、彼女をホテルの部屋へと連れ込むが、その夜に、美女に暴行されて腕と頭に傷を追って気を失った状態で発見されるという事件が発生。
しかしその数日後からデレクは、普通の食べ物を胃が受け付けなくなったり太陽の光線を浴びると激痛が走るようになったりする代わりに、素手で岩を砕いたり数メートルもジャンプしたりといった事が出来る超人的なパワーを身に着けた事に気付くが…
旅の途中で何者かによって吸血鬼にされてしまった若者とその友人がたどる顛末を描いた、POV形式のサスペンスホラー映画。
超人的なパワーを手に入れた若者の運命をPOV形式で描くというと、なんとなく「クロニクル」を思い出しますが、簡単に言うと『ヴァンパイア版の「クロニクル」』みたいな感じ…
ただ序盤の展開が結構軽めなので「クロニクル」みたいに『青春もの+サスペンス』みたいなノリなのかと思いきや、中盤以降は割と絶望的な状況が多くてガッチリとしたホラー映画という印象のお話です。
お話としては『旅の途中で仲間の一人が吸血鬼になっちゃって、さあどうしよう…』みたいな感じのストーリーなのですが、ぶっちゃけストーリーの内容はかなり薄め。
2人の気ままな旅を描いたお気楽ムードな序盤から一転して中盤からはシリアスな展開になるのですが、シリアスな展開になってからもウダウダしてたり情況に流されてるだけの場面が多くて、なんというか全体的にお話の起伏に欠ける印象です。
超人的な力を手に入れた割にはその力が活かされるような展開も殆ど無くて、ホラー的な設定を強く押し出してる割には怖いシーンや緊張感のあるシーンも殆どないのは辛いところ。
お話のテンポ自体は良いので観ていて退屈するような内容では無いのですが、お話のゴールが見えない絶望的な情況のまま淡々と話が進んで途中でカタルシスが得られるような要素も殆どないので、どうにも盛り上がらないんですよね。
また、主人公たち2人の個性もあまりシッカリと描けておらずキャラクターに魅力が感じられないので、主人公たちが困っていても特に感情移入が起こらないのも惜しいところです。
それこそ「クロニクル」みたいに主人公たちの個性がもっとシッカリと描かれていて、もうちょっと魅力のあるキャラとして自主的に行動してくれれば、もっと面白い流れになったんじゃないかと思うのですが…
でも中盤の特殊部隊と主人公が主観視点で戦うシーンは、ちょっとだけ迫力があって良かったかも?
総評としましては、良くも悪くも『可も不可も無い感じのホラー系POV映画』って感じの作品ですね。
ツマんなくはないけどそこまでプッシュするほど面白い要素も無いという、悪い意味で『いつものTSUTAYA独占レンタル作品』という感じの一本でした。
気になっているのであれば観るのを止めるほどではないですので、変り種のPOV作品とかが好きな人であればチェックしてみても良いかもしれませんよ。