NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ファイナル・デッドクルーズ」(50点/サスペンス)

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■■■「ファイナル・デッドクルーズ」■■■
(50点/サスペンス)

 スペインのマジョルカ島にリゾートに訪れていたタミーたち3人は、旅先で知り合った男性たちと一緒に7人でクルーザーでの洋上でパーティを開く事となる。

 誰も居ない洋上でドラッグやセックスにハメを外して盛り上がる彼らだったが、仲間の一人が『ドンキー・パンチ』(セックス中に相手を殴って気絶させる)という遊びをしようとしたところ、誤って女性の一人を殺してしまうという事件が発生。

 彼らは事件を沿岸警備隊に報告しようとするが、事件の発覚を恐れた当事者の男性陣たちが死体を海に捨てて事件を隠蔽しようとした事から、彼らは互いの行動に不信感を抱くようになっていき…



 洋上でドラッグやセックスという乱交パーティを行っていた若者たちが、仲間の一人を事故で殺してしまった挙句に人間不信に陥って対立していくという、サスペンススリラー映画。

 タイトルに『ファイナルデッド』とか付いていますが、別に『ファイナルデッドシリーズ』(FINAL DESTINATIONシリーズ)とは全く何の関係もなく、共通点も全く無いような作品です。
 (ちなみに原題は「DONKEY PUNCH」(セックス中に相手を気絶させるという遊び)。)
 いわゆる『死の運命』とかってシチュエーションとも全く関係が無いので、何でこんな紛らわしいタイトルを付けたのか本気でちょっと謎な感じ…
 (なんちゃってシリーズものにするなら「オープンウォーター」シリーズに分類した方がまだシックリくるレベル。)

 お話としては、『洋上で乱交パーティを開いていたアホな若者たちが、仲間の一人を事故で死なせてしまった事をきっかけに人間不信に陥って、やがて殺し合いにまで発展していく…』みたいな感じの、いわゆるサイコサスペンス系スリラー映画で設定としては割とありがちなタイプのお話という印象。

 実際のお話の中身の方も『可も不可も無いようなサスペンス』という感じすが、登場人物のキャラクターや心理描写がシッカリと描かれているために、ストーリー展開に違和感が無くてお話にすんなりと入り込めるのは良い感じですね。

 凝ったドンデン返しとかは無いですが、ストーリーの構成も悪くなくて適度に盛り上がるシーンが盛り込まれてて緊張感を上手く維持するような構成になっているのは好印象。

 ただキャラやシチュエーションを丁寧に描いているせいか、全体的にテンポが遅めでお話のスピード感が無いのは難点かも?

 あと男どもが最低のグズ野郎ばかりのせいで、正直言って観ててちょっとイライラさせられる部分も…
 (まあ『因果応報』な目にあうんだろうなぁ…というのは予想できるので良いのですが…)

 また敢えてダメ出しするような要素もあんまりないものの、プロットもキャラクターも割とありがちな作りのため、本作ならではの個性とかは全く感じられず、正直言ってあんまり印象に残るような内容ではありません。

 オチもちょっと弱くて全体的にインパクトに欠けるため、『半年後にはどんな映画だったかをスッカリ忘れてそう』なタイプの映画なので、もうちょっと個性を出すような要素とかシチュエーションとかが欲しかったところですよ…


 総評としましては、良くも悪くも『普通の低予算サスペンススリラー映画』ってタイプの作品ですね。

 特別に悪くも無いんだけど良い部分もあんまり無くて、それなりには楽しめる内容ではあるものの『あまり印象に残る部分のない映画』って感じでした。

 TVとかで放映された時に暇つぶし程度に観るなら十分な内容だと思いますので、まあそういうタイミングでチェックしてみるらなアリな一本じゃないかと思いますよ。