■■■「ザ・デッド インディア」■■■
(60点/モンスター:結構オススメ)
インド郊外で風力発電プラントの開発を行う電気技師のニコラスは、ある日、ムンバイに住む恋人のイシャニから『妊娠した』という嬉しい報告を受ける。
しかし、その話と同時に市内で『人間が人間を襲っている』という奇妙な暴動が発生したという話を聞かされた彼は、不審なものを感じつつもイシャニに自宅で隠れているように告げるが、そんな彼の目の前で『死体となった人間が動き出して他の人間を食べている』という現場を目撃。
異常な事態が発生している事を知った彼は、イシャニを救う為に500kmも離れたムンバイへとゾンビの群れの中を進むのだった…
ゾンビによるパンデミックが発生したインドで電気技師の男が恋人を救う為に500kmもの旅をするという、ロードムービー風のモンスターホラー映画。
以前に公開された「ゾンビ大陸 アフリカン」と同じスタッフによって製作された新作だと言う事を聞いていたのですが、原題を見ると「THE DEAD2 India」という事で『同じスタッフの新作』どころか完全な続編に当たるタイトルですね。
(前作と全く同じ世界観で、舞台がアフリカからインドに変わったような感じです。)
前作に変な邦題を付けちゃったせいで続編なのにタイトルが良くわからない事になってなってしまっているという、B級映画によくありがちな罠ですな。(笑)
お話としては、前作と同様に『動きのノロノロとしたオールドタイプのゾンビ』の登場するゾンビ映画風味のロードムービーという感じですが、前作と同様に本作もなかなか良くできております。
『電気技師の主人公が500km離れた場所に居る恋人に会うために、逃避行の途中で出会った少年と一緒に旅をする』という感じのお話なのですが、本作でも主人公や少年のキャラクターが非常に良く描き込まれており人間ドラマ的なテイストの強い作品に仕上がっている印象ですね。
ノロノロとした動きのゾンビがどこまで行っても追って来るというシンプルな怖さに加えて、作品としてのテーマ性が非常にハッキリしておりドラマとして普通に面白いです。
相変わらず低予算な印象で特撮のレベルとかは地味ですが、シチュエーションとかが怖いシーンが多くて絵面以上の恐怖が感じられる作りなのは上手いですね。
ただ「アフリカン」と同様に『どんなに人里離れた荒野のただなかにも必ずゾンビがウロウロしている』というシチュエーションは、なんかシュールで笑ってしまいます。
またこれも前作と同様にゾンビの動きと同じく全体的な展開が非常にスローテンポで、あまりの展開の遅さにちょっと眠くなってしまう部分も…
でも終盤にかけてのそこそこ盛り上がるシーンやら見せ場もありますし、オチの落としどころやらもなかなか上手いですし、相変わらず地味ながらも面白い作品には仕上がっていると思いますよ。
総評としましては、『シンプルながらもなかなか良くできた佳作レベルのゾンビ映画』って感じの作品ですね。
ノリもテイストも「ゾンビ大陸 アフリカン」と殆ど変わらないですので、前作のノリが好きならば見ておいて損は無いでしょう。
ちなみにストーリーとかは全く繋がっていない(世界背景が一緒って程度)なので、本作から先に観ても全く問題ありません。
最近の捻ったタイプやイキオイ任せのタイブではない『オーソドックスなオールドタイプのゾンビ映画』が好きな人ならば間違いなく楽しめる作品だと思いますので、そういう作品を求めているのであればオススメですよ。