NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「リメイニング」(40点/サスペンス)

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■■■「リメイニング」■■■
(40点/サスペンス)

 ダンとスカイラーの夫婦は、仲の良い友人たちや親族を招いて盛大な結婚パーティを開く事となる。

 しかしパーティの盛り上がりきったその最中、唐突に来場者の一部が次々と倒れて絶命し、大地震と落雷に加えて巨大な雹が降ってくるという天変地異が発生。
 仲間と一緒に結婚式場から外へと飛び出したところ、空からは飛行機が次々と墜落し街は大パニックに陥っていた。

 彼らはこの天変地異が聖書の黙示録に記されたものだと気付いたスカイの言葉に従い、みんなで教会へと避難する事になるが…



 結婚式を迎えた若いカップルと友人たちが唐突に訪れた未曾有の天変地異に見舞われるという、聖書の黙示録を題材としたディザスターパニック映画。

 題材だけ聞くと割と派手そうな作品のように思えますが、中身の方はなんというか地味な低予算パニック映画という感じの内容です。

 題材としては黙示録の『7人の天使のラッパが吹き鳴らされる』というプロセスを元ネタにして災害が起こるという感じの流れで、序盤は地震が起こったり飛行機が次々と墜落したり雹が降ってきたりと、割と派手な感じの展開でそこそこ期待させる作りなのですが…

 中盤からはやはり低予算だけあって災害描写が少なくなり、屋内での会話劇が中心になって絵面的にあんまり面白い部分が無くなってくるんですよね。

 そのぶん割とシッカリと主人公たちの人間ドラマを描いて居り、主人公たちのキャラも良く立っているのでそこそこ面白い内容ではあるんですが、扱う主題(黙示録)のデカさに対して些細な人間関係だとどうしてもショボく感じでしまいますし、やはりディザスターパニック映画で災害描写が少ないのはどうにも盛り上がりません。

 一応、災害で破壊された後の街の描写やら、TVで災害の様子が中継されるシーンがあったりするので、パニック映画としてもそれなりの予算がかかっている印象は受けるんですが、どうにも中途半端なんですよね…

 また黙示録で見応えのありそうな災害と言えば、やはり『イナゴの群れ』と『殺戮の天使』だと思うのですが、この辺も中盤から『主人公たちを襲うモンスター』として登場してお話を盛り上げてはくれるものの、全編を通して画面にチラッとしか写らないという見どころのない描写で、なんとも物足りなさを感じる印象。

 また、黙示録が元ネタだけにキリスト教がお話に絡んで来るのですが、終盤は宗教色が強くなりすぎてキリスト教に馴染みの無い自分には、いま一つ話に上手く入り込めない感じでした。
 特にラストは何を言いたいのかサッパリ分からないオチで、かなりモヤモヤした気分になりましたよ…
 (まあ、黙示録の描写に沿った展開ではあるんですけど…)

 これなら、もうちょっとエンターテイメント寄りにするか分かり易くカタルシスのある内容にしてくれた方が、スッキリと楽しめて良かったんじゃないかなぁ…


 総評としましては、B級パニック映画としては出来は悪くは無いんだけど、全体として『どうにも物足りなさの残る作品』って感じですね。

 いま一つ馴染みの無い題材のせいもあるんでしょうけど、キリスト教にあまり詳しくない日本の市場的にはちょっとウケの悪そうな映画という印象を受けました。

 まあ、イマイチ良く分からない宗教観のせいでスッキリしない内容だという部分を除けば、パニック映画としての出来ははそんなに悪く無い感じですので、TVとかネットで公開された際にでもチェックしてみる感じで良い作品だと思いますよ。