■■■「X-DAY 黙示録」■■■
(40点/モンスター)
近未来、海洋生物の死骸が大量に浜に打ち上げられ、動物たちが大移動を開始。
そして日蝕の日に、全世界で地下深くから大量の魔物の群れが出現して、人々を次々と食い殺しはじめるという天変地異が発生。
人類は地下からの裂け目に『ゲート』という軍事施設を建設して、なんとか怪物たちを地下に封じ込める事に成功するが、何百万人もの犠牲者を出す事となってしまう。
それから15年後、再び日蝕の日が迫る世界にあちこちで15年前の『審判の日』と同じような現象が観測される。
再びの怪物の出現を予感したデビッドは、息子のタイラーと元妻のローラらと共に避難用のシェルターを目指すがシェルターが満員で避難できず、やがて怪物たちが地上へと姿を現し…
全世界で地下から魔物の群れが姿を現す『審判の日』に、魔物の群れから逃れるために逃亡する家族の姿を描いた、モンスターパニック映画。
聖書の『最後の審判』をモチーフとしたモンスターパニック映画ですが、低予算パニック映画でお馴染みのSYFYの作品という事でお察しな感じのショボいモンスター映画という感じの内容です。
お話としては、大量の魔物が地下から姿を現す『審判の日(皆既日食の日)』に、魔物の群れから逃れるために奮闘するとある家族の逃亡劇を描いた作品という感じで、一言で言ってしまえば『魔物版「宇宙戦争」(2005年版)』みたいな感じのお話です。
何が「宇宙戦争」っぽいって、主人公たちが特にコレといった怪物に対抗する手段や特技を持たず、この天変地異の解決に対して何らかのキーマンという立場でもなんでもない、『ごく普通の一般家庭』だという事。
実際に郊外の地下シェルターでのシーンとか、ちょっとだけ「宇宙戦争」のオマージュっぽさを感じさせる部分もあるためインスパイアされて作った作品なのかもしれませんが…
そもそもの「宇宙戦争」自体が、盛り上がりに欠ける構成で賛否両論あるような映画なのに、特撮がショボくなって『映像の迫力』が取り除かれた本作が面白いかと言われると、ぶっちゃけ微妙としかいいようがありません。
お話のテンポはそこまで悪くないので、それほど冗長な印象を受けないのは良い点ではありますし、いかにもゲームっぽいケレン味の効いた魔物のデザインやら、CGで大量の魔物を描く事で低予算で迫力を出そうという努力は良い感じではあるのですが…
それでも全体的な予算不足な雰囲気は隠しきれず、そもそもの怪物の登場シーンが少なくて、怪物の姿が見えない地下に引きこもっているシーンや車で逃亡しているだけのシーンが多くて、ハッキリ言ってちょっと退屈。
ちなみに予告編では割と迫力のあるシーンが多く描かれており、それなりに見どころのあるアクション映画っぽい雰囲気を出しているのですが、ぶっちゃけて言ってしまうと『迫力のあるシーンは予告編の映像で出てるシーンがほぼ全て』というB級映画にありがちな『予告編詐欺』だという事を、ここにお伝えしておきます。
まあ怪物の出番が少な目でもお話自体が面白ければ良いのですが、全体的に山場になるシーンも少なく、主人公たちも多少は怪物と戦うもののその行動が今回の『審判の日』の解決になんら寄与する訳でも無いため、どうにも盛り上がりに欠ける印象。
主人公を含めて周辺の登場人物もキャラが薄めで、あまり魅力が感じられないキャラクターのためにいま一つ感情移入もできません。
と言うか最初にも書いたように、お話的には「宇宙戦争」が思いっきりショボくなったような内容なので、「宇宙戦争」の映画がそこまで好きじゃない人にはオススメできないですし、「宇宙戦争」より優れている部分も無いので「宇宙戦争」が好きな人にもオススメし辛いという、なんとも難儀な感じの映画でしたよ…
総評としましては、正直に言って特にコレといった見どころの無い『微妙な出来のモンスターパニック映画』という感じの作品ですねえ。
そこまでクソミソに言う程の酷い映画では無いのですが、モンスター映画好きでも敢えて本作を観る程の魅力的な要素も見当たらないのでオススメするには弱い作品かなぁ…という印象。
もし予告編でチェックして気になっている場合は、『予告編の映像が見どころのすべて』という感じの内容ですので、その辺りを覚悟完了してから観るようにしてくださった方が良いと思いますよ。(笑)