■■■「ワールド・オブ・Z」■■■
(25点/モンスター)
原因不明のウィルス感染により人々がゾンビ化し文明の崩壊した世界。
元軍人と科学者の2人の男たちは、ゾンビと戦いながら孤立無援の状態で生き長らえていた。
偶然にも調査に入った病院でゾンビの群れに追われている2人の姉妹を助けた彼らは、ゾンビ達が飢え死にして絶滅するまで生き延びるために『周辺のゾンビをおびき出して倒す』という作戦を、彼女らも巻き込んで繰り返す事となる。
しかしそんなある日、彼らの前に軍人の過去を知っていると語る一人の男が現れ…
ゾンビによって支配された世界で4人の男女が生き残りを賭けて戦うという、サバイバル風味のモンスターホラー映画。
つい先日も同じような「ワールド・ウォー・Z」のパクリタイトル映画を観て地雷を踏まされたばかりなのですが、『流石にそうそう強烈な地雷は無いだろう』と思って懲りずに同じような映画を観てみたのですが…
うん、まあなんと言うか、本作もヤバいですね…
私はここに『「ワールド・ウォー・Z」のパクリタイトル映画は全体的にヤバい』という学説を提唱したいと思います。
とまあそんな学説の話はさておき本作についてですが、この前の「ゼット・ワールド」程じゃ無いものの全体的に『退屈でダルい映画』ってのが正直な感想です。
お話の内容としては『文明が崩壊したゾンビだらけの世界で4人の男女が生き延びるためにひたすらゾンビと戦い続ける』というそれだけの内容で、ストーリーらしいストーリーの成分は薄め。
ただストーリーが薄いといっても、アクション重視の映画という訳でも無くて、どっちかというと会話劇というか観念劇が中心の雰囲気映画みたいな感じの作品という感じです。
お話の区切り(章)の合間に聖書の『天地創造の七日間』の文章みたいのが引用されてみたり登場人物のセリフも妙に哲学的だったり、また登場人物の全員の名前が本編で一度たりとも触れられなかったり(スタッフロールですら『大佐』とか『ウィザード(自称科学者)』とかになってる)とか、『監督だか脚本家だかの趣味なんだろうなぁ…』って感じの独特のノリがなんとも言えないテイストを出しています。
またストーリーが薄い分、戦ってるシーンは割と多めでそこまで退屈はしない印象。
とまあここまで書いた感じだと、割と良さげな印象の雰囲気映画のように感じられますが…
正直に言って『良さげに思えるそれらの内容がどれもイマイチ』なんですよ。
会話劇もそこまで面白味があって引きこまれるような内容でもなく、『だから何やねん?』って感じで何となくはぐらかされている気分になるようなやりとりばかり…
戦闘シーンも低予算故にちょっとショボ目で、スピード感を出しつつ特撮がショボいのをごまかすためにか、矢鱈とカメラが激しくブレるような演出を多用するため、観ていて非常に目が疲れるのはどうにかして欲しかったです。
また戦闘シーンが多い割にはメインのストーリーはなかなか前に進まないため、特に理由も無く闇雲に戦ってるみたいな感じの展開が多いので、観ていて途中で飽きて来るんですよね。
せめて全体的にもうちょっとメリハリのある構成ならばなぁ…
(ただ、本作の『ハシゴでしか登れないコンビナートの上からゾンビを倒す』という戦法はメチャクチャ頭が良い戦い方で、他のゾンビ映画の登場人物にも見習って欲しいと思った。(笑))
ラストも何が言いたいのやら良く分からない落とし方でしたし、どうにもパッとしない印象の作品でしたよ。
総評としましては、何と言うか『ひたすら地味で印象に残らないタイプのゾンビ映画』って感じの作品です。
強烈に酷い訳でも無いのですが、コレといって面白い要素やインパクトのある要素も無いので、半年ぐらいしたら観た事すら忘れてそうな映画という感じ…
(ただでさえ似たようなパクりタイトルが多いですし…)
正直言って特にオススメする要素もありませんし、ネタ映画としても弱いので普通にスルーしてしまっても問題の無い一本ってところではないかと?