■■■「エンド・オブ・ザ・デイズ」■■■
(45点/モンスター)
プノンペンに住むチュンやオデの医学生たちは、街外れのパーティ会場で試験明けのパーティを開催する事になる。
パーティで盛り上がる彼らだったが、そんな矢先に市街地で噛まれた人間を凶暴化させる謎のウィルスによるパンデミックが発生。
感染者の群れはパーティ会場にも押し寄せて来る。
感染者の襲撃によってパニックに陥ったパーティ会場からなんとか車で脱出した彼らは、街中のホテルへと立てこもるが、食料も少なくホテル内にも感染者が侵入しており、状況は徐々に悪化していく。
しかしそんな矢先、ルセイケオ地区で救助隊が活動をしていると知った彼らは、なんとかしてルセイケオ地区へとたどり着こうとするが…
突然のゾンビパンデミックにより孤立した医学生たちがなんとかしてパニックから生き延びようとするという、カンボジア製のゾンビものモンスターホラー映画。
まず『カンボジア製のゾンビ映画』ってだけでかなりレアな存在ではあるのですが、レアではあるんですけど映画そのものの出来の方はなんというか普通のB級ホラー作品という印象。
お話の中身としては『学生たちがパーティ会場でゾンビの群れに襲われて、なんとか生き延びようとする』という、いわゆるサバイバルホラー系のお話ですね。
普通のB級と言いますがゾンビ映画としては特にコレといった捻りも無いような設定と展開で、良く言えば安心して観れる内容なのですが、悪く言えばありがちで面白味の無い展開という感じ…
低予算映画っぽい割には、町全体が舞台となっておりロケーションが豊富でそこそこ見ごたえがあるのは良い感じで、パニック感は良く描かれて居ます。
ただシチュエーションとかに目新しいものが特に無くて、主人公たちの行動も矢鱈と場当たり的で状況に流されてるだけのシーンが多く、全体的に展開がダラダラとしているので、どうにも冗長さを感じてしまうんですよね。
そこまでテンポの悪い作品でも無いのですが、どうにもメリハリに欠けて特撮もショボめで、襲撃シーンやアクションシーンにあまり迫力や緊張感が無いため途中でちょっとダルくなってしまいましたよ…
また、登場人物が矢鱈と多い(ほとんどが食われるだけのザコ扱い)割には主人公たちのキャラクターが薄めで、登場人物の設定が殆ど頭に入ってこないのは困りものかな?(しかもキャラが薄いのに、所々で『感動的な別れ』みたいなシーンを描こうとするので、なんか凄い違和感が…)
あと割とどうでも良い事なのですが、全ての登場人物の行動が全体的に物凄く迂闊(うかつ)で、建物のなかにゾンビが残っててもたいして警戒もしていなかったり、ゾンビが居る場所に探索に出るのにたいした準備もしていかなかったり、ゾンビのいる場所で平気で物音をたててみたり、挙句にゾンビのパンデミックが発生したのもうっかりミスみたいな状況だったり…
まるで『うっかりさんコンテストでも開催してんのかよ!?』とツッコミを入れたくなるぐらいにうかつな行動のオンパレードなのは、流石にちょっとイラっとしましたよ。
(しかも、それらの行動を取るたびにバンバン死者が出るし…)
こいつらには一度、120時間耐久ぐらいでゾンビ映画を鑑賞させて、ゾンビが出現した時にどういう対応すべきかのノウハウを学ばせてやりたいです。
総評としましては、特にコレといったほどの特徴の無い『普通レベルのB級ゾンビ映画』って感じの作品ですね。
特にコレといってプッシュするような要素も無いですし、オススメするには厳しい内容かなぁ?
カンボジア製のゾンビ映画というレア度を考えると、好事家ならばチェックしておいても良い感じの作品かもしれませんが、そうでなければそこまで急いで観るべき必要もないと思うので、ケーブルTVやネット配信とかで放映されたタイミングにでも観てみるって程度で良いレベルの一本だと思います。