■■■「ZOMBEE ゾンビー ~最凶ゾンビ蜂 襲来~」■■■
(15点/モンスター)
ある日、世界各地で唐突に謎の暴動が発生。
ロサンゼルスが無法地帯と化した事から、危険を感じたストリートギャングのジェイBは、妹のチカ、友人のタブスと共に街を離れて郊外の田舎町へと非難する事となる。
しかし郊外の町外れで見たことも無いような巨大なハチの群れに襲われたところを、女性保安官のフィアーゴーらによって助けられた事から彼女たちと行動を共にすることになるが、しばらく後にハチに襲われて殺されたはずの仲間が、ゾンビと化して彼らに襲い掛かるという異常事態に遭遇し…
『刺されて死ぬとゾンビになってしまう』というゾンビバチの恐怖を描いた、モンスターパニック映画。
『ハチに刺されるとゾンビになる』と言えば、カプコンの人気ゲームであり映画にもなった「デッドライジング」を思い出しますが、そういうのとは特に何の関係も類似性も無い作品のようです。
設定的にはゾンビバチは『黙示録の人間を刺すイナゴ』になぞらえたもののようで、ところどころでソレっぽい台詞や引用が用いられていますが、ぶっちゃけ『ソレっぽい雰囲気づくり』以上の役割は特に果たしていないので、あまり深く考えてはいけません。
まあ設定の話はさておくとして肝心の中身の方はというと、ぶっちゃけ恐ろしく退屈なホラー映画っていうのが正直なところですね。
お話としては、『街で発生した原因不明の暴動とパニックから逃れてきた若者たちが、町はずれでゾンビバチの群れに襲われる』みたいな内容なのですが、『ゾンビ映画+生物パニック映画』の筈なのに『ゾンビもハチも殆ど全然出てこない』のは困りもの。
ハチの襲撃シーンも屋外に居る時の数回程度で、ゾンビにいたっては本編中に3匹しか出てこなくて、中盤とかナチュラルに存在を忘れそうになるレベルです。
(正確にはエピローグで数人まとめて出てきますが、主人公たちとの絡みは無いので…)
ソンビもハチも出てこない間は何をやってるのかというと、ダラダラと逃亡しながら『主人公たちのたいして面白くも無い身のうえ話』が延々と語られるといった具合。
その身のうえ話にしても、そこまでキャラが深く掘り下げられる訳でも無く、恐ろしく退屈な内容で、中盤辺りで久々に本気で早送りしたくなりましたよ…
一応は『主人公が矢鱈と強硬な態度を取る理由』みたいなのがラストでどんでん返し的に明かされたりして、その伏線が貼られてたりもするのですが…
そもそもお話がツマんなすぎるうえに、小悪党でストリートギャングの主人公たちに感情移入できるような要素が全くないので、唐突にそんなネタを仕込まれても『だからなんやねん』という感想しか出て来ません。
途中で矢鱈と引用される宗教的なテーマも空々しい感じで深みも何も無いですし、ラストも『なんのこっちゃ?』って感じの意味不明のオチ(というか途中で出てきた十字架の伏線はなんだったんだよ?)ですし、なんというかホントにビックリするぐらい中身が無くてツマんない映画でしたよ。
唯一、途中で何度かある『ハチの目線カメラ』みたいな映像は、まあまあ迫力があって面白かった程度かなぁ?
総評としましては、正直に言うと『恐ろしく退屈で盛り上がりに欠けるパニックホラー映画』って感じの作品です。
設定だけ見ると、生物パニック映画の美味しいところとゾンビ映画の美味しいところを混ぜ合わせた作品のように見えますが、実際の中身の方は『混ぜ合わせて50倍ぐらいに希釈したような作品』(しかも『面白くない人間ドラマ』という不純物入り)なので、どちらのジャンルのファンの方にもオススメできません。
純粋にツマんないだけでネタ映画として観るにしてもパンチが弱すぎるので、普通にスルーしてしまって問題ない作品ではないかと…