■■■「デッド・ウェディング 鮮血の花嫁」■■■
(35点/モンスター)
アメリカ南部の町で、恋人のグラントと結婚する事となったベッキーは、友人たちを招いて教会で結婚式を挙げる事となる。
諸般の事情で到着が遅れていた母親たちが到着し、いよいよ挙式が開始されようとした矢先に、森の中から銃声が響き渡りると共にゾンビの群れが教会を襲撃。
参加者たちに次々と襲い掛かる。
なんとか、友人たちとともにピックアップトラックで脱出したベッキーたちは、政府によって散布された新型の防虫剤の副作用で人間が次々とゾンビになるという事件が発生している事を知るが、既に町はゾンビの群れによってあふれかえっており…
結婚式を迎えた若いカップルが、唐突に現れたゾンビの群れに襲われてなんとかして危機から脱出しようとするという、モンスターホラー映画。
タイトルからして結婚式と花嫁を題材としたゾンビ映画という感じの作品で、パッケージではウェディングドレスを着た花嫁がゾンビと戦っている絵が描かれています。
「REC3」とかでも同じようなネタが描かれていましたが、やはり鮮血と純白のウェディングドレスというミスマッチ感のある組み合わせには、一定の需要があるという事でしょうか…
ちなみに本作の花嫁は実は本編ではウェディングドレスは着ておらず、このイラストはイメージ映像になりますので、そういう『ゾンビvs花嫁』的なビジュアルの演出を観たい場合は「REC3」をごらんください。(笑)
とまあパッケージに関するツッコミはさておく(さておいて良い些細な問題化はともかく)として、本作の内容に関してですがなんというかごくごくオーソドックスなタイプの低予算ゾンビ映画という感じの作品ですねぇ。
お話としては『アメリカの田舎町に散布された新型の防虫剤の影響で人間がゾンビ化し結婚式の会場に乱入して大暴れして、花嫁たちはなんとかして町から脱出しようとする』という感じの内容。
特にコレといった大きな捻りも無いオーソドックスなゾンビものという感じで、ストーリーの方もゾンビに襲われた人たちが政府の救出ポイントを目指してゾンビと戦いながら逃走する…みたいな展開です。
主人公たちが新婚カップルという本作ならではの設定があるものの別にそれがゾンビものとしてそこまでお話に活かされている訳でも無く、お互いの母親同士がいがみ合って居たりとか、割とどうでも良いドラマの部分に活かされている程度。
特に結婚式というイベントがロケーションやシチュエーションに活かされている訳でも無くて、それこそもっと「REC3」みたいに結婚式というイベントを活かした作りになっているのかと期待していたので、ハッキリ言ってその辺りは拍子抜けです。
でも低予算の割にはゾンビの襲撃シーンは多めで、そっちの方はそこそこ気合は入っている印象。
割と絶え間なく襲撃が描かれるので、特に退屈せずに最後まで観れるのはまなかなか良い感じです。
ただ気になったのは、全体的にキャラクターの魅力が薄いという事。
主役であるはずのヒロインとその旦那の個性が薄くて、特に旦那の方は『あれ、こいつがヒロインの夫だったっけ?』みたいに素で忘れるレベルでした。
そもそも結婚式の主役の2人がめっちゃ私服なのが個性の弱さの一因になっている気がするので、それこそ何でスーツとドレスとかもっと分かりやすいビジュアルにしなかったのかと…
脇役もなんか『嫌な感じの田舎者』みたいなイラつく性格のキャラが多くて、いくらゾンビに食われる担当みたいなキャラだと言ってももうちょっとどうにかならなかったものかなぁ?
オチもロメロの「ゾンビ」を意識したのかもしれないけど矢鱈と唐突で投げっぱなしで面白味が無いですし、全体的にもうちょっと本作ならではの個性が欲しかったところですよ。
総評としましては、いまひとつ記憶に残らない内容で『パッとしない印象のゾンビ映画』という感じの作品です。
特別にツマんない訳でも無いものの、本作ならではの見どころがある訳でも無い感じなので、オススメするには正直いって微妙なところ。
ゾンビ映画に飢えてて、とにかくゾンビが見たくてしょうがないというような状態であればチェックして観るのも良いかもしれませんが、急がないのであれば半額で借りれるタイミングとかに何かのついでに観る程度でも良いような作品かと…